ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「年間300万円違ったんですよ」ライオネス飛鳥が明かす、長与千種との“給与格差”「当時は知らなかったので…」引退後に知った全女の“カネ払い”
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byAFLO
posted2024/12/16 11:02
時代の寵児となったクラッシュ・ギャルズ。スポットライトの裏では、意外な“格差”もあった
飛鳥 いや、私が受けた時はビューティ・ペアもマキ上田さんがすでに引退されていて、女子プロレスが下火になっていた時だったんで、そんなにいなかったと思います。一応、曙橋のフジテレビでオーディションやったんですけど、多分200人とか。
玉袋 それでも書類選考通過した200人の中から選ばれたのはすげえよ!
飛鳥 そのとき受かったのは、自分と伊藤浩江ことタランチェラと、奥村ひとみと師玉美代子の4人だけだったんですよ。
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ガンツ じゃあ、ダンプ松本さん、長与千種さん、大森ゆかりさんはオーディション外だったんですか?
飛鳥 大森と千種は推薦で入ってきたんですよ。千種は空手をやっていたからどこかの空手の先生から、大森はお父さんが相撲関係だったんで、どっかの親方の推薦で。だからデビューは半年違うんですよね。
玉袋 全女に縁故があったって初めて知ったよ!
長与とダンプが食べていた“タバスコライス”
飛鳥 それでダンプとかクレーン(・ユウ)は、当時松永兄弟が調子に乗ってA班、B班に分けて2グループの巡業を始めて、選手が必要ってことで第2次オーディションをやって、そこから入ってきたんです。
ガンツ 元祖・極悪同盟のふたりは、正統なオーディションでは受からず2次募集だったんですね。
玉袋 そう考えると、飛鳥さんは200人中4人だけ選ばれる狭き門を通過したエリートだったんだな~。
飛鳥 でも、松永兄弟のずるいところは、入る時に誓約書にサインさせられたんですよ。そこには「ポスターに載ったら3カ月間は辞めることはできない」とか、いろんな縛りが書かれていて。私たちは子どもだったし、プロレスがやりたいからよく読まずにサインしたんですけど。後から「こんなに縛られてたんだ」って気づいて、怖いなって。
玉袋 興行師は怖いよ~。お金はどうだったんですか?
飛鳥 ビューティ・ペアの時は全女が初めて大儲けして、選手にどれぐらい払えばいいかわからないから、ジャッキーさんとかは1試合7万円くらいもらっていたらしいんですよ。自分たちの場合は、デビュー前は月5万円で寮費を5千円引かれて、お米だけ支給されて。