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「増えるって素晴らしいこと」りくりゅう失意の2位も、後輩の台頭に祝福…ジュニアGPファイナルに進んだ“期待の若手ペア”とは?「体重が5キロ増えました」
posted2024/12/12 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
12月5日からフランスのグルノーブルで開催されたGPファイナル。怪我から回復して2シーズンぶりに出場した三浦璃来と木原龍一は、ドイツのミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ&ニキータ・ボロディンに次いで2位となり、銀メダルを獲得した。
フリー「アディオス」ではスロウジャンプの着氷を2回とも失敗するなど、彼らには珍しいミスが続いた。演技が終わった後、二人の表情は硬かった。
「表彰台に戻れたことは素晴らしく思いますし、嬉しく思います。けれど内容的にははっきり言って話にならないレベルだったので、そこはやっぱりもっと修正していかないといけないかなと思います」
演技終了後、木原はそう言って唇を噛んだ。
最大のライバルで現世界チャンピオン、カナダのディアナ・ステラート・デュデク&マキシム・デシャンは男性の病気から回復中とのことで欠場となり、三浦&木原は優勝候補というプレッシャーを背負っての挑戦だった。「プログラムの中でどうしても焦ってしまうところがある」と木原。細かいミスが続いたため、2人のタイミングがずれたのだという。それでもフリーの得点が130点にとどまったのは、「(全体の演技の質の)底辺が上がってきた証拠かなと思います」と分析した。
りくりゅうに続く“若手ペア”がジュニアファイナルに進出
日本のペアを牽引してきた彼らだが、この大会では彼らの積み上げてきたものが別な角度から形になりつつある。
ジュニア部門で日本の新ペアチーム、清水咲衣&本田ルーカス剛史がファイナル進出を果たして、この大会で6組中5位だったのである。三浦は「同じチームメイトとして嬉しい」と率直な喜びを表現した。
二人はまだ結成2シーズン目ながら、シングルで培った高いスケーティング技術とジャンプなどを武器に、今季はアンカラジュニアGP大会で3位、チェコ大会で4位に入賞してこの大会へのチケットを手にした。
「GPファイナルという大きな舞台に出れたことは光栄に思いますし、自分たちだけじゃなくて周りの方、コーチや連盟の方々に支えられてこの舞台にたどり着いた。自分たちの演技を滑り切ることができて、本当に嬉しいと思います」
試合から一夜明けての囲み取材で、改めて感想を聞かれて清水はこう答えた。