濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「可愛い…!」「天才的なアイドル性を持ってる」中野たむが身悶えした“新人女子レスラー”…対戦相手すらときめかせる、玖麗さやかの魅力
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2024/11/30 17:12
中野たむとともにタッグリーグ戦に出場している玖麗さやか
対戦相手すら「すいません、ときめいちゃいました」
玖麗自身に聞くと、対戦相手に対してネガティブな感情になったことはないという。
「私のほうが強いんだとか可愛さでも負けたくないとか、そういう気持ちはありますけど……それは自分が頑張ることなので。“この野郎!”みたいな気持ちですか? 今のところないです。でもそういう感情も武器になるんだとしたら、たむさんから学びたい」
それを聞いて「可愛いなぁ!」とたむ。
「私はプロレスってケンカ売ってナンボだと思ってやってきたので。“この野郎!”、“ぶっ潰してやる!”ばっかりですよ(笑)」
タッグ名にもある“ときめき”というワードは、玖麗のキャッチフレーズ“ときめきスピアー”から。得意技の冠に、なぜか“ときめき”がついてしまうのが玖麗さやかというレスラーであり、そこに何の違和感もない。玖麗に逆転の3カウントを許した鹿島は、試合後にこう言っている。
「すいません、ときめいちゃいました。玖麗が全部悪い」
どうも玖麗と闘うと、対戦相手までときめいてしまうものらしい。
「可愛い…!」中野たむは身悶えした
「アイドル経験がないのに純正アイドル。スターダムの宝だと思います。もしかしたら、この子は私のプロレス人生を大きく変えてくれるかもしれない」(たむ)
もちろん、今は玖麗がたむから学ぶことのほうが大きいだろう。ただ玖麗がたむについて語るその言葉からも、彼女の非凡さがうかがえる。
「たむさんには見ている人の心を動かす求心力、カリスマ性がありますよね。技の一つ一つにもこだわりがあって“この技が見られたから今日は来てよかった”と思える。私も技を増やすだけじゃなく、持っている技を素敵なものにしていけたら。
いろんな面で、たむさんは私が目指すべき存在です。でも別の人間であるからには自分のやり方で上に行く必要もあるのかなって。今は作戦とか全然分からないです。自分の全力をすべての試合で出すしかない。全試合タイトルマッチの気持ちでやれば、自然と勝ちに近づけると思います」
隣ではまたしてもたむが「可愛い……!」と身悶えしていたのだった。玖麗さやかの横には、いつもは見られない中野たむがいる。それも“ときぷり”の魅力だろう。記者会見で着た「昭和アイドル風」衣装は、2人で相談して決めたものだそうだ。