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夫は「成績が落ちたらお前のせいになる」と言われ…23歳“全盛期”に電撃引退→結婚の女子陸上・寺田明日香が8年後に「母で五輪出場」までの波乱万丈 

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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photograph by(L)Yuki Suenaga、(R)JMPA

posted2024/11/22 11:01

夫は「成績が落ちたらお前のせいになる」と言われ…23歳“全盛期”に電撃引退→結婚の女子陸上・寺田明日香が8年後に「母で五輪出場」までの波乱万丈<Number Web> photograph by (L)Yuki Suenaga、(R)JMPA

23歳で一度は引退したものの、結婚・出産→ラグビー転向を経て100mハードルの日本記録を更新した寺田明日香。そのウラには夫や娘との深い絆があった

 しかし、翌2011年3月の沖縄・石垣島合宿で、それまでの好調が暗転する。

 トレーニングの一環でフットサルをしていた際、踏み切り脚を捻挫したのだ。回復は芳しくなく、練習もままならない。試合には出続けたが、記録が出せるわけもなく、結果的にテグ行きの切符を逃した。

 同じ頃から、摂食障害にも悩まされるようになった。体重が少し増えたら吐いたり、その反動で暴食したり。2週間で体重が5kgも増減するなど、乱高下を繰り返した。

「周囲からは太ったら『彼氏がいるからだ』と言われるし、痩せたら痩せたで練習がこなせなくて怒られる。『じゃあどうすればいいの?』ということが多すぎて。いつの間にか生理も止まり、食べられなくなり、疲労骨折が増えて……という感じでした」

 決して恋愛が原因ではない。ただ、図らずも不調の時期が重なったことで、指導者との関係性に溝が生まれているのも感じ、さらに心身のバランスを崩していった。

 ロンドン五輪の代表選手選考会だった2012年の日本選手権は欠場。結局、五輪に出場することは叶わなかった。

「本来なら狙える位置にいたのでかなりショックでした。チームの皆は福島さんの応援にロンドンまで行ったけれど、私は『行けません』と残ったんです。その時から『来年が駄目だったらもう陸上は辞めて、別のことをやろうかな』と考え始めました」

23歳の若さで競技の引退を発表

 元々、高校卒業時点では教育大志望。現役生活を終えたら大学に進むつもりだった。結局、2013年の日本選手権は予選落ち。シーズンオフを待たずして現役引退を発表した。

「その年の春に、彼女から『13秒5を切れなかったら引退する』と聞いていました。当時は23歳になったばかりで、今から大学に通って社会に出ても十分間に合う年齢です。周りは『才能があるのにもったいない』と言いますが、僕自身は彼女の意思を尊重したいと思ったんです」(佐藤さん)

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