海外の現場からBACK NUMBER
相次ぐ故障から来季の完全復活へ。千賀滉大が得た「すばらしい経験」。
posted2024/11/17 09:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Yukihito Taguchi
不本意な結果の中にも、メッツ千賀滉大は、確かな手応えと前向きな材料を見出していた。ドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第6戦で、3点ビハインドの7回から救援し、1回3分の2を投げて3失点。シリーズ敗退が決定し、ワールドシリーズにあと一歩届かなかった。それでも、全日程を終えた千賀は、顔を上げ、正面を見据えて言った。「すごい1年だったな、というのがひと言。うまく行かずに、難しい1年でしたけど、最後の最後でこういうすばらしい経験をさせてもらったと思います」
メジャー2年目の今季は、春季キャンプ中、右肩に違和感を訴えて離脱し、負傷者リスト入りして開幕を迎えた。その後のリハビリは、投球再開とシャットダウンの一進一退を繰り返した。ようやく回復し、今季初登板となった7月26日のブレーブス戦では、6回途中まで好投したものの、ベースカバーに走った際に左ふくらはぎ痛に襲われ、途中降板。その後は回復が遅れ、結局、公式戦は1試合だけの登板で終えた。