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「タケ・クボはバルサにも通用するよ」子供の予言通り…MVP久保建英「ソシエダで一番の試合かも。大事なのは明日、この街で…」覚醒の全事実 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2024/11/12 17:01

「タケ・クボはバルサにも通用するよ」子供の予言通り…MVP久保建英「ソシエダで一番の試合かも。大事なのは明日、この街で…」覚醒の全事実<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

バルサを文字通り攻守両面で翻弄した久保建英。日本代表合流前、納得のMVPだった

 この試合では通常時の役割ではなく、特別な役割が任されていたようだ。攻撃時4-3-3の陣形から守備時には4-4-2へと形を変える中で、久保は、攻撃時には右ウイング、守備時にはサイドハーフとして相手SBのマークのため自陣まで戻ることが求められている。

 これは今季5節のマドリー戦記事にも示しているが――この試合での久保のタスクは相手CBへのプレス、すなわち久保が得意とする前向きの守備となり、自陣へ戻る後ろ向きの守備から解放され、これにより久保の攻撃が活性化された。

 またバルサ正GKテア・シュテーゲンの怪我により出場機会を伸ばすイニャキ・ペーニャにとって、度々受ける久保のプレスでリズムを崩していた可能性は高く、失点場面のミスパスにつながったか。後半にも、久保のプレスからミスを誘われたイニゴが慌てて挽回に入り久保の足を踏みつけるシーンがあり、久保の前プレスにリズムを崩されるバルサ守備陣の姿があった。

3-0でも…そこに不満を言うつもりはありません

 バルサを相手に覚醒した久保は、前半終わりに中盤をドリブルで崩してオヤルサバルの絶好機を演出。また後半にも、意表をついたロングフィードからベッカーに好機を送り、アウトサイドでのクロスをゴール前に飛び込むブライスに送るなどしたが、追加点を奪うことはできなかった。

 バルサは怪我明けのガビ、ダニ・オルモなどを投入し猛攻にかかった。フル出場した久保も自陣深くまで戻っての守備対応が求められたが、ソシエダは被枠内シュートを0に抑える堅守を見せ、見事勝利を手にした。

 久保は試合後、このように答えている。

「3-0になってもおかしくなかったけど、そのことに不満を言うつもりはありません。勝ち点3を獲得したこと、明日、街で人々がこの勝利の話をすることが大事です」

「(バルサに対して)これ以上を求める人は、夢見ているんだと思います」

 試合終了と共に拳を突き上げた久保は、途中出場となったガビの元へ寄っていってユニホームを交換。久々に見せる、晴れやかな笑顔でゴール裏サポーターの前へ進んだ。この後久保は、W杯アジア最終予選を戦う日本代表として、インドネシア戦、中国戦に臨む。

〈日本代表特集:つづく〉

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