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浅田真央は「言い出したら聞かないから(苦笑)」MAO RINKオープニングセレモニーで見せた“晴れやかな表情”の意味「すごい楽しみな気持ちに…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/11/11 17:01
オープニングセレモニーでは、ソロにキッズスケーターたちも交えた新プログラム「ブライトフューチャー」を披露
国際規格で実現したメインリンクは集中しやすいようにと黒をベースにした壁になっている。一転、サブリンクは大きな窓で外の風景を取り込む。子どもの頃から室内リンクで練習し、外を見ることがなかった経験からだと言う。
「桜の木があるので、春は桜の花を見ながら楽しんでほしいと思っています」
外壁には金、銀、銅が配色されている。
「世界で金銀銅(メダル)を獲るスケーターが育ってほしいという思いをこめています」
またアイスショー開催時を想定して女性化粧室を増やしたり、さらには化粧室のピクトグラムにスケートをモチーフとしたイラストが描かれているのもこだわりの一環だ。
「担当者が苦労するくらい、(浅田に)こだわりがあって大変だったんですよ。言い出したら聞かないから」
と苦笑する村山社長は、笑顔で続ける。
「おかげでいいものができました」
手書きの資料を持参して…浅田の熱意が周囲を動かした
浅田と村山社長が会い、浅田がリンクの建設について要望したのは2021年3月のこと。
「仕事で出会った方にご紹介いただきました」(浅田)
ただ、村山社長は最初に話があったときをこう振り返る。
「『会わない』と返しました」
それでも、「何度か話があったので、『分かりました』と」。
実は村山社長のもとには以前、別のところからもリンク建設の話があり、「やんわりと」断っていたという。それもあったのだろう。「(浅田の打診が)なんの話かは分かっていたので」「会わない」という返事をした。