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「多くの人からバカじゃねえかと言われましたけど…」“ベイスターズの故郷”山口県下関で「ファンのための豚丼屋」を開いた「ある熱狂的ファン」の話  

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村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHidenobu Murase

posted2024/10/30 17:06

「多くの人からバカじゃねえかと言われましたけど…」“ベイスターズの故郷”山口県下関で「ファンのための豚丼屋」を開いた「ある熱狂的ファン」の話 <Number Web> photograph by Hidenobu Murase

ベイスターズの「故郷」下関出身のプロレスラーが地元に開いた豚丼屋「B☆WHALE」。少しずつファンの聖地へと近づいている

 いまでは知名度を上げるため、アルバイトの女の子にインスタグラムのやり方を聞いて、情報を出すようにしているという。

「やっぱりベイスターズ情報が多めですけど。あとは、ランチで豚丼だけでなくトンカツとカツ丼をはじめましたね。でっかいカツ丼ベイスターズとかいってね」

 まじめにやっているのである。

「B☆WHALE友の会」も発足

 ひとつの結実を見たのは、開店から1年が過ぎた今年の9月。「B☆WHALE」に集まるベイスターズファンたちで観戦会を定期的に行うようになったことだ。その名も「B☆WHALE友の会」。なんて鯨心を掻き立てる響きであるのか。

 この友の会は会員50名ほど。発足していきなりのクライマックスシリーズで5連勝となり、最終戦前には、地元のテレビ局でのニュースに観戦会の模様と「これから集まれ」というメッセージが流れるまでになった。

「CSで勝った瞬間、友の会のみなさんと抱き合って喜んだんですよ。今までは下関にいたらひとりでテレビで応援するしかなかった人たちが、こうやって集まってみんなでよろこびを分かち合えることを実感できたのは本当にうれしいし、多くの人からバカじゃねえかと言われましたが、店を作ったことは間違いじゃなかったと心から思えたんです。

 ただ、ここからが本番。日本シリーズの相手はこの海の向こうにある最強ソフトバンクホークスです。この関門海峡を隔てたベイスターズとホークスの戦いで、まだ眠っている下関の人たちのベイスターズ愛をもっともっと呼び起こしたいですね」

 源平・武蔵小次郎巌流島・幕末と大洋。下関は決闘と革命の聖地である。2連敗といきなり崖っぷちな日本シリーズではあるが、この福岡での決戦、下関の地からも、ベイスターズファンたちが熱い声援を送っている。

B☆WHALE(ビー・ホエール)

〒750-0012 山口県下関市観音崎町12−5 2F
営業時間: 11:30~14:00、17:30~22:00(日曜はランチのみ)
フードラストオーダー21:00、ドリンクラストオーダー21:30 月曜定休

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芸人→最弱プロレスラーの異色経歴で…なぜ下関に“ベイスターズの店”を? あるファンの数奇な人生「若い子は下関で生まれた球団だと知らないんです」

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