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ドラフト裏話「会見当日に体育祭の借り物競争」「監督はスマホで“小船どこ?”」198センチ腕が初指名の無名校に密着「広島育成1位の評価は…」
text by
間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2024/10/28 11:01
広島育成1位・小船翼のドラフト会見が行われた知徳高校。会議室が使用された
「まだまだ自分に足りないところがあると思っているので、支配下のレベルには達していないと思っています。プロに入って、もっともっと成長していくつもりです」
初鹿監督も現時点の評価として納得している。ただ、育成選手のまま終わるとは思っていない。この3年間、誰よりも近くで小船の成長を見て、可能性を感じてきたからだ。
「小船はビジョンを描いて練習も自分で考えながらやっていました。素直に相手の話を聞く姿勢を持ちながら、自分に必要かどうか取捨選択できる選手です。高校では私たち指導者が小船の能力を伸ばし切れませんでした。プロの世界で、さらに飛躍すると期待しています」
将来的にはダルビッシュ選手のように
小船も自身が成長途中にあると実感している。育成から支配下、さらに日本を代表する投手へと駆け上がる未来を描いている。
「まだ筋力も足りていませんし、今が完成形だとは思っていません。持ち味は角度のある真っ直ぐで押すスタイルなので、プロでも真っ直ぐにこだわりたいです。球速160キロ、将来的にはダルビッシュ選手のようにメジャーで活躍できる投手を目標にしています」
知徳から直接ドラフト指名を受けた初めての選手となった小船。プロで活躍して先駆者となれば、知徳もドラフト会議が恒例行事となるだろう。
〈ドラフト特集:つづく〉