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イチロー「こんな野球、見たことない」 高校女子選抜戦、イチローがマウンドで感じていた“恐怖の正体”…松井秀喜も「かなりビビりました」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2024/09/26 17:04
9月23日、高校女子選抜との試合でのイチローと松井秀喜
松井の痛感「日本の野球の良さはそこだと思います」
同じことを松井秀喜が言った。
「女子野球だけでなく、日本の野球の良さはそこだと思います。チームメートにも、相手にも、お客さんにも、道具にも、敬意を払う。その教育がしっかりしている。小さい時から教育されていることが多いので、それが日本の野球の素晴らしいところ。今日、彼女たちの姿を見て、それを実感しました」
高校時代、あの甲子園で、5連続敬遠されながらも、松井は相手を責めることなく、敬意を欠かさなかった。プロの世界に入っても変わらず、メディアへさえも敬意を忘れなかった。
日本が誇るふたりのレジェンドが語った女子野球にある敬意の精神。それを聞き、穏やかな心となった理由が繋がった。敬うとは、お互いをリスペクトしあうこと。イチローは締め括った。
「女子(の野球)には、箱がないので、それがあれば野球人口が増えてくる。一つのきっかけに。大きく変えることはなかなか難しいのだけれど、小さなことをこういうことで作りたいなというのが、(僕の)意図することなので。こんな気持ちのいい試合って、誰も嫌な気持ちにならない、だけど真剣勝負というゲームを僕は知らないので。本当、僕、ボロボロになるまでやりたいって、あらためて思いました」
来年の試合が楽しみでならない。