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わずか4年で戦力外通告「マジか…もう1年やれるかと」まさかのドラフト指名漏れも経験、元中日・岡野祐一郎が初めて語る“スカウトに転身を決めた日” 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2024/09/21 11:05

わずか4年で戦力外通告「マジか…もう1年やれるかと」まさかのドラフト指名漏れも経験、元中日・岡野祐一郎が初めて語る“スカウトに転身を決めた日”<Number Web> photograph by NumberWeb

中日で4年間プレーし、昨年現役を退いた岡野祐一郎、30歳

携帯が倒れた…25歳でプロ入りの瞬間

 大学を経て社会人入りした選手の場合、入社3年目に25歳を迎える。プロ入りするなら年齢的にラストチャンスといっていい。岡野は聖光学院の「特待」に選ばれたときと同じルールを自分に課した。決めたことは何があっても毎日、やる。

「3年目は、これだけやってダメだったんだからダメだったんだって諦められるぐらいやろうと思ったんです。社会人になると飲みに誘われたりすることが多いんですけど、そういうときでもトレーニングとかその日のメニューを全部、こなすまでは行かないとか。社会人の選手は練習をやらなくても、別に誰かに怒られるわけじゃないんです。でも、決めたことは絶対にやり抜こうと思って」

 社会人3年目のシーズンは、岡野いわく「ほぼ、防御率は0点だった」という。まさに、これだけやってダメだったら……という境地だった。

 ドラフト会議の日、岡野は日本代表の一員として台湾にいた。会議の様子は宿舎の一室で携帯の画面越しに眺めていた。ある球団からは3位か4位で指名する予定だと聞いていた。そろそろかなと思ったとき、立てかけていた携帯が倒れた。画面を起こすと自分の名前が映っていた。中日から3位指名を受けたのだ。

 台湾で受信していたドラフト中継は日本と若干、時差があったようだ。そのため岡野よりも早くに指名情報を得た知り合いから立て続けに祝福のLINEが入った。その振動で携帯がバランスを崩したのだ。

 岡野はそのときの感動をごく短い言葉で表現した。

「すごくグッときました」

「マジか…」わずか4年で戦力外

 岡野が念願だったプロの世界にようやく足を踏み入れたのは2019年、大谷翔平が日本ハム在籍5年を経てエンゼルス2年目を迎えた年だった。大谷は前年にトミー・ジョン手術を受けた影響で今年同様、打者に専念している。

 岡野にとって日本のプロ野球は腕を精一杯、伸ばしてやっとの思いで這い上がった世界だった。しかし2023年秋、わずか4年で戦力外通告を受ける。一軍での通算成績は3勝7敗だった。岡野の回想だ。

【次ページ】 痛感した「決定的なプロの壁」

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