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オリンピックへの道BACK NUMBER
五輪リザーブは「楽しかった」卓球女子団体・木原美悠が語る、長い選考レースの末に笑顔でサポートできた理由…「気持ちの準備はできていた」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/09/17 17:01
パリ五輪卓球女子日本代表、木原美悠。練習場にはパリ五輪仕様の卓球台も備えてあった
気持ちはプレーに変化を及ぼしていたと言う。
「自分ではプレッシャーを感じている感覚はあまりなかったんですけど、プレー内容にも影響が出ていたように思います。試合中、いつも結果を考えちゃうんですよ。『負けたらどうしよう』みたいな感じで、気持ちの部分からプレーも弱気になるのがいちばん大きかったかなって思います。
練習しているときはいろいろできるのに、試合で緊張した場面で何もできない自分がいるし、もしミスしちゃったら、と、恐怖みたいなものがどんどん強くなっていくので、相手に押されて最後負けちゃうみたいなことがけっこう多かったですね。そこが自分のプレーを思い切ってできなかったところかなって思います」
いつも中途半端な立場だな
そしてこうつぶやいた。
「やっぱり3、4、5という順位には立てても、2位、1位というところに立てない自分がいて、いつも中途半端な立場だなって思います」
苦しみつつも懸命に戦い、選考対象大会16のうち13を消化した段階では2位以内になる可能性を残していた。だが、2023年11月の全農カップ大阪大会を終えて早田、平野を抜けなくなったことで、シングルス2名の代表入りは断たれた。
2024年1月、最終大会である全日本選手権を迎える。
「勝ち上がれば張本(美和)選手と当たる組み合わせになりました。張本選手もここ2、3年くらいで実力も伸びてきていて、勝てる自信はなかったので、今できること、自分の実力をどれだけ出せるか試したいという思いで臨んだ大会でした。なので、そんなに重く考えてはいませんでした」
張本とは準々決勝で対戦、0-4で大会を終えた。約2年の選考レースも終わりを告げた。
「やっと終わった、長かったなって思いました。ほんとうに長かったです」
最終ランキングは5位。長期間の選考レースを振り返り、こう語る。