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「真央ちゃんがこんなに…」浅田真央が初出演、高橋大輔との共演で思い出した“10年前”…なぜフレンズオンアイスは「特別なショー」になったか
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2024/09/05 17:05
フレンズオンアイスで共演を果たした高橋大輔と浅田真央
「苦悩を表現しています。自分自身もスケーターとしてこれまでショーで滑ってきているんですけど、滑っていく中でも楽しいとか幸せだけじゃなく、やっぱりどこか大変だったり辛いこともあるので、それを表現しつつ、でも私は負けずに輝くんだという力強い滑りを皆さんに見ていただきたいなと思います」
浅田の足跡は、まさに打ちのめされてきたように見えても立ち上がってきた歴史だ。その時間に裏打ちされた演技は、繊細な技術に加え、細部まで行き届く感情表現とともにメッセージを伝えていた。
スケーターのいちばん輝く姿
宇野はプロになって初めてつくったプログラムであると説明したうえで、こう続けた。
「すごくアップテンポで、ジャンプ以外の部分でかなりエネルギーを使います。自分もこのプログラムは滑りがいを持って滑っているプログラムになっています」
さまざまな魅力を持つ宇野の1つの側面をみせる演技が、場内の熱量を高める。
彼らだけではない。
「フレンズオンアイスのずっと変わらないコンセプトでもありますが、それぞれのスケーターのいちばん輝く姿が理想で、今年はそれをジュエリーに例えて、一人一人の輝きがリンクの上で発揮されるように、今の輝きがこんなに素敵なんだよというのを伝えたいという願いがあります」(荒川)
出演者それぞれの演技に加え、宇野とランビエルをはじめとするコラボがショーを華やかに彩る。浅田同様、初めてフレンズオンアイスに出演した三浦佳生もソロに加え、高橋らと『エクソジェネシス』で持ち味をみせる。ショーへの出演は、貴重な時間となっただろう。
思い出した10年前「高橋と浅田の共演」
荒川の思い描いていたように、すべての演目に輝きがあった。スケーターたちの力量とともに、ともに同じリンクに立つからこそ生まれた相乗効果もあったのではないか。
フレンズオンアイスは、10年前を思い起こさせた。2014年12月、同じ新横浜で行われた「クリスマスオンアイス」で高橋と浅田は共演し、2人が一緒に滑るナンバーも披露された。