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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「4年後、ロス五輪で絶対に結果を出したい」女子バレー石川真佑(24歳)がイタリア出発前に語った本音「パリ五輪で痛感した1点の重み」
posted2024/08/30 17:00
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yuki Suenaga
あっという間だった。
東京からパリへの3年間、五輪が始まってから終わるまで。さらに言うならば、パリから帰国してイタリアへ出発するこの日まで。
すべてが「早かった」と噛みしめるように、石川真佑が振り返る。
「帰国して、実家に帰ってからも普通にまだ、オリンピックはやっていたじゃないですか。テレビで見て、メダルを獲る選手のことをすごいなと思うし、でも自分たちだって可能性は絶対にあったというもどかしさもあった。『終わった』という解放感とか安堵とかはまったくないですね。むしろ、力を出し切れず、何もできずに終わったという気持ちのほうが強いです」
2度目の五輪を語る石川の表情には、悔しさが滲んでいた。
「感触はめちゃくちゃよかった」
同じ五輪とはいえ、自国開催ながら無観客の東京五輪と有観客で満員の観客が詰めかける中で戦ったパリ五輪はまるで違った。
「朝の試合からたくさんの方が会場にいて、熱気がすごかった。プレッシャーを感じることはなかったですけど、戦うぞという気持ちは東京の時よりも強くありました」
女子バレー日本代表の初戦は7月28日、現地時間13時からのポーランド戦だった。5月のネーションズリーグでは敗れている。高さだけでなく攻守のバランスに長けたチームで、優勝候補の呼び声高い強豪の一つだった。
会場や雰囲気に慣れずに挑む初戦で対峙するには、厳しい相手だったが、石川自身の調子は上向きだった。
「どちらかと言うと、高い相手のほうが私はやりやすいんです。ブロックもよく見えるから、指先や外側(でブロックに跳ぶ)の選手の腕や手を狙えばブロックアウトも取りやすい。そこはまさにイタリアで経験して、積み重ねてきたし、高さに対する慣れもあります。実際に(ポーランド戦でも)自分の調子もよかったし、1セット目も獲った。感触はめちゃくちゃよかったです」