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「最高の形でパリの風を浴びました」スケートボード“14歳の女王”吉沢恋がいま明かす金メダル秘話「本番では相談せず…自分の技を宣言」
 

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梶谷雅文

梶谷雅文Masafumi Kajitani

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/08/26 17:00

「最高の形でパリの風を浴びました」スケートボード“14歳の女王”吉沢恋がいま明かす金メダル秘話「本番では相談せず…自分の技を宣言」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

パリ五輪女子スケートボードで金メダルに輝いた吉沢恋(14歳)。日本帰国後に幼少期から滑っていた原点の地で初めてのオリンピックについて語ってくれた

東京五輪を見て「自分もいけるんじゃないか」

 パリを目指すきっかけは2021年の東京五輪で西矢(もみじ)が繰り出したビッグスピン・フロントボードスライドだ。自身もすでに習得済みのトリックでストリートの頂点に立った初代女王の姿を見て、「自分もいけるんじゃないか」と感じたという。同年の日本選手権で上位に入り、世界への道が開けた。そして五輪を意識し始めた。

 '22年7月、初めての海外大会となったローマ大会でトリックを完璧に決めて6位入賞。さらに今年6月、五輪最終予選のブダペスト大会では、西矢のトリックに縦回転を加えて進化させたビッグスピンフリップ・フロントボードスライドで優勝し、パリ行きを決めた。まさに旬のまま本番に挑んだ。

 パリでのベストトリック3本目。ここで挑んだのは生命線のビッグスピンフリップ・フロントボードスライド。繊細にボードを回転させるも、着地で足から逃げてメイクならず。メダル圏外の4位に後退した。

完璧なメイクで最高得点。暫定トップに…

――ベストトリックで出すトリックは事前に決めていたのですか?

「そうですね。パリに行く前に親や地元のコーチに相談して。でも本番ではほとんど相談しないで、自分の技を宣言してやっていました」

――トリックのメイク率の高さが求められるなか、どんな練習をしてきたのですか?

「ひたすらやるのもあったけど、一日にトライする数を決めて、10分間だけやるとか、限られた本数で何本メイクできるかとか、トライする数を減らした上で、できるだけメイク率を上げる練習をしていました。大きいセクションに何回も入って転ぶとそれだけ体へのダメージが大きいですし」

 

 そしてベストトリック4本目。集中力を高める練習法で精度を上げてきたビッグスピンフリップ・フロントボードスライドに再び挑む。ボードが軽やかに回転してレールで滑り、4輪同時に着地。完璧なメイクの余韻に浸りながら両手を高々と広げ、パリの空を見上げた。ポイントはその日の最高得点となる96.49で暫定トップに立った。

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