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「最後まで見届けなきゃ…」男子バレー決勝を現地観戦した日本人ファンの本音…あの名将も日本代表を賞賛「とても悲しい。グレイトで美しかった」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2024/08/15 17:03
会場を魅了するバレーボールを披露したが、準々決勝で敗退した日本代表。メダルは4年後のロス大会に託された
準決勝以降、会場で日本人の姿を見かけることは少なくなったが、中には決勝まで見届けたファンもいた。決勝後、会場をあとにする3人の日本人ファンに話を聞いた。
「もちろん日本が残ってくれればと期待してチケットを取っていたんですけど、でもここまできたら、準決勝、決勝でどういう戦いをするのかを観たかったし、最後まで見届けなきゃいけないと思って観ました」
「でも準決勝とか観たらまた、めちゃくちゃ悔しくなりました。日本がここにいたかもしれないと思うと……」
「最後に笑顔で終われる選手たちを見ると、日本代表を重ねちゃいますね。準決勝以降はまた空気感が全然違いました。熱量というか、ギアがまた一段上がった。準決勝から上に行くチームはこういうものを持っているから上がれるのか、と感じたりして。悔しくなりながら、でもバレーボールは面白いと、改めてひしひしと感じました」
「ブラン監督が胴上げされた時に…」
準々決勝の日本戦については、「すみません、勝てると思っちゃいました」と苦笑する人もいれば、「カメラのファインダー越しに表情を見ていると、あくまでも主観ですが、(第3セットの)24点になった時に、ちょっと表情が変わったように見えた選手もいて、怖くなりました。だから早く1点決めて欲しかった」と振り返る人も。
「涙は我慢していたんですけど、ブランさんが胴上げされた時にうるっときて、それから友達に会った時に『悔しいー!』ってギャン泣きしました。でもそのあと『次、ロサンゼルス行こ!』となりましたね。現地で観ていた人のほうが早く前を向いているような気がします。準決勝や決勝を観て、ここに立って欲しいなという気持ちが強くなったからかもしれません。日本もこういうカッコいいプレー、嫌らしいプレーやって欲しいな、と思いながら」
決勝で最高峰の戦いを目にしても、誰も、日本がそこに立つことが不可能だとは思わない。
表彰式で1位フランス、2位ポーランド、3位アメリカの国旗が掲げられるのを見つめながら、いつかここに日の丸をと期待し、願わずにいられなかった。