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福部真子「磨き上げた“体脂肪率7%”フィジカル」田中佑美「高校時代は宝塚志望…バレエ仕込みの強体幹」“史上最速”女子ハードル勢が挑むパリ五輪 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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photograph by(L)AFLO、(R)Getty Images

posted2024/08/04 06:01

福部真子「磨き上げた“体脂肪率7%”フィジカル」田中佑美「高校時代は宝塚志望…バレエ仕込みの強体幹」“史上最速”女子ハードル勢が挑むパリ五輪<Number Web> photograph by (L)AFLO、(R)Getty Images

女子短距離種目から唯一パリ五輪に代表を送り込む100mハードル。福部真子(左)と田中佑美(右)の2人が活躍を期する

 高校時代からジュニアの代表合宿などで福部を指導してきた杉井氏もこう振り返る。

「高校1年生からずっとハードル種目で世代のトップを走り続けていましたから、追われるプレッシャーは凄かったと思います。そんな中でも素直に、いろんなことを吸収しようと取り組める選手でした」

 今季の福部で特に目についたのが、その鍛え上げられたフィジカルだ。

 徹底した食事制限とウエイトトレーニングで体脂肪率を7%まで落とし、初めて日本記録を出した2022年以上の仕上がりになっていたという。体脂肪率が落ちた一方で、体重は2キロ増。それだけ筋肉量が増えていた。

ブダペスト世陸「落選」をバネにした福部

 昨年は標準記録を突破しながら日本選手権で4位に終わり、ブダペスト世陸の代表から漏れた。その経験もあってか、「あれでスイッチが入ったんでしょうね」と杉井氏も目を細める。

「スタート地点に並ぶと明らかに1人だけ僧帽筋や上半身の筋肉のつき方が違いました。スプリント種目の場合、上半身の筋力ってそのまま競技レベルに直結している部分が大きいんです。ただ、五輪の舞台で外国人選手と並べば決して大きいわけではない。その意味では他の選手も福部選手くらいのフィジカルアップが必要なのかもしれません」

 もう一人、パリ五輪の代表に選ばれた田中も、今季ここまで積極的に海外レースに参戦。安定した成績を残し、ポイントによる世界ランキングで五輪を決めた。杉井氏が高校時代を振り返る。

「田中選手もインターハイでの連覇経験もありますし、高校当時からもちろん実力は高かった。当時は宝塚音楽学校に行くか、陸上を続けるかで悩んでいました。長年習っていたクラシックバレエの影響からか、ドリルや立ち姿を見ると体幹に特筆すべき強さがありました」

【次ページ】 ハードル選手として「長身も武器」の田中 

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