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陸上・三浦龍司(22歳)が「パリはメダルが目標」と言い切るワケは? 調整レースで“異次元のスパート”…本人が語った東京との「大きな差」
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2024/08/05 17:00
パリ五輪前の最終調整で圧巻のラストスパートを見せた三浦龍司。大舞台では日本初のメダル獲得を狙う
そして、今回のホクレンDCは、13分31秒61の好記録で日本人トップの組6着だった。昨年とほぼ同タイム。いつも通り。順調な仕上がりと言っていい。
「(東京五輪やブダペスト世界選手権の前と)重なるところはある。ある程度なぞった上で、クオリティーの高いものができているので、自信を持っていいのかなと思います」
三浦自身もこう手応えを口にしていた。
記録はもちろんだが、三浦の好調ぶりを証明したのは、レース終盤のペースチェンジにもあった。
ラスト1周で「圧巻のラストスパート」
同じ組には外国人選手も多数出場していたが、設定タイムが13分15秒(2分39秒/km)の先頭集団には付いていかずに、三浦は第2集団でレースを進めた。
第2集団にはペースメーカーが付き、その上、赤いペーシングライトでペースが示されており、2000mまでが2分44秒/km、2000~4000mが2分46秒/km、ラスト1000mが2分40秒というペース配分になっていた。
ただでさえ、ラスト1000mでペースアップする設定になっていたが、三浦の走りはそれ以上。ラスト1000mは2分32秒と、先頭集団の外国人勢よりも速かった。
「今回のレースではラスト1000mのビルドアップに注力していた」と言うように、狙い通りの走りだった。最後の400mは60秒を切っていたほど、圧巻のラストスパートだった。
昨年のホクレンDCでは、ラストスパート対決で、のちにマラソン日本代表となる赤﨑暁(九電工)に先着を許したが、今回は誰も寄せ付けなかった。
「パリオリンピックはメダルを大きな目標としています。そこに向けて、努力はしてきたつもりなので、それが最終的に走りに繋がってくれればいいと思います。今回のレースは弾みになったんじゃないかなと思っています」
パリ五輪前の最後のレースを順調に走り終えた三浦は、堂々とこんな言葉を口にしていた。