「マリーゴールドの旗揚げ戦で怪我した時も、ジュリアは最後まで闘い抜きましたよね。やっぱり並の選手じゃないなって。

　両国で復帰できるか分からない時期も、泣きながら“諦めない”と言って。私は“対戦相手の前で泣いてんじゃねえ！”ってビンタしましたけど、ありのままの感情を出せるジュリアも凄いと思いました。プロレスラーはそうじゃなきゃいけない」

マリーゴールドではジュリアと激闘を展開　©Norihiro Hashimoto

「ライバルはいればいるほど面白いので」

　プロレスが気持ちのぶつかり合いだとするなら、気持ちをさらけ出すことを恐れてはいけないのだ。

「全部が全部とは言わないですけど、ジュリアとはプロレス観が合うんでしょうね」

　マリーゴールドのチャンピオンになったSareeeだが、IWGPのベルトも諦めていないという。影響を受けたアントニオ猪木ゆかりのタイトルだし「ライバルはいればいるほど面白いので」。

　橋本千紘、ジュリア、岩谷麻優、あるいはストロングスタイルプロレス参戦時に対戦しているタイガー・クイーン。闘いがいのある相手が増えていくことに充実感がある。

「闘いがいがあるのは、やられたらやり返してくる選手ですね。プロレスは一方的に勝つだけでも面白くない。やられて、やり返して、顔蹴られたらすぐ蹴り返して。そうやってお互い燃え上がっていく。私がやり返すだけじゃなく相手もやり返してきてほしい。1人じゃプロレスはできないので」

　Sareeeの言う“闘い”や“強さ”とは、プロレスというジャンルならではの“芯”のことなのだ。

《インタビュー後編に続く》

（撮影＝杉山拓也）