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「ボクはオオタニになれなかった」日本人が知らない“大谷翔平、本当の評価”… MLB若手スター4人がアイドル大谷翔平を語る「あの人はヤバいよ…」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byGetty Images
posted2024/07/19 11:02
7月16日のMLBオールスター。3ランホームランを放ち、笑顔でベースランする大谷翔平(30歳)
「ヤバいよ、あの人(大谷)は……。絶対に真似できないと思った。プレーしてるとわかるんだ。次のステップでは投手としてトップにいけるレベルじゃないってことが。プロになるなら野手だろうってね。16歳のときに諦めたよ」
次に尋ねたのは、【3】オリオールズに所属するガナー・ヘンダーソン、23歳。彼もまた、前述のクレア記者が「まるで少年のように初々しい面構えで、昨年の新人王を颯爽と獲っていった」と称賛したヤングスターである。対面するとたしかにあどけなさが残る。穏やかな口調はインテリ大学生のようだ。
「オオタニと初めて対戦したのはエンゼルス時代だった。右中間の遥か彼方まで(139m/2023年5月に大谷が3番DH兼先発投手で勝利した試合)打球を飛ばしたんだよ。それが彼を生で見た最初の体験だった」
ヘンダーソンは“投手と野手の二刀流”という契約で大学進学を予定していたが、急転直下、2019年のドラフト会議でオリオールズから2巡目指名を受ける。スカウトから評価されていたのは「野手として」のみ。そして、そのまま入団することを決めた。
「正式に(投手を)諦めたのはそのドラフトの時だね。大学では二刀流をやる予定だったけど、続けられていたとは思えないな。大学の間にどちらか1つに絞っていただろうね」
ヘンダーソンのキャリアは球団スカウトの評価によって決められたといっていい。とはいえ、新人王を獲得するまでに成長したのだから、関係者には先見の明があったと言えるし、本人にも後悔している様子は見られなかった。
「ボクはオオタニになれなかった」
一方で、「迷いがあった」と本音を吐露する選手もいる。ヘンダーソンと同じ2019年に、タイガースからドラフト1巡目指名を受けた【4】ライリー・グリーン、23歳である。彼もまた大学進学を取りやめて、野手としてプロ入りした。