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林咲希、髙田真希、馬瓜エブリン。バスケットボール女子日本代表はいかなる相手にも怯まず世界の頂点を目指す 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/07/23 11:00

林咲希、髙田真希、馬瓜エブリン。バスケットボール女子日本代表はいかなる相手にも怯まず世界の頂点を目指す<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

パリ2024に向けて国内最終戦となった三井不動産カップ2024で奮闘する馬瓜エブリン、林咲希、髙田真希(写真左から)

ファンの熱量をエネルギーに戦い続ける、衰え知らずの髙田真希

 センターというポジションながら、外からのシュートも得意とし、ニュージーランドとのGAME2では4本中3本の3Pシュートに成功した髙田真希。10代の頃から日本代表として多くの国際大会に出場してきた大黒柱のプレーは、34歳となった今も衰えを知らない。

 この試合ではチーム最多23得点を挙げ、MVPに輝いた。

 東京2020以降、急上昇する女子バスケへの注目度。来場した1万を超えるファンに髙田は感謝する。

「素晴らしいアリーナで、たくさんのお客さんの前でプレーできたことがすごくうれしかったです」

 試合前にはファンからの熱い応援メッセージが書き込まれたジャイアントユニフォームがバックスタンドで大きく揺れた。

「ファンの方々の声を届けてもらえて大きなエネルギーになりました。ユニフォームにメッセージを書いてくださった方、そしてこの企画やイベントを考えてくださった方々は、どうすれば私たちにファンの想いやパワーが伝えられるのか、いろいろ考えてくださったと思います。いろいろな方々の思いを感じたからこそ、今度は私たちが頑張らないといけないなと力をいただきましたね」

 女子バスケットボールを応援する熱い声、支える思いは、確実に選手たちに伝わっていた。その思いを背負って選手たちは舞台で戦う。

怖さはなく、楽しみの気持ちがすごく大きいと語る馬瓜エブリン

 チームのムードメーカーでもある彼女が仲間を鼓舞する姿はいつも印象的だ。

 身体能力を生かしたドライブやスピード、成功率の高い3Pシュートなど得点力が持ち味の馬瓜エブリン。

 全力で走り続け、結果を残した東京2020後は、「人生の夏休み」を宣言し、1年間の休養を選択。その後代表への復帰を果たし、2度目の大舞台に向け、自身への注目が高まっていることをひしひしと感じている。

「日本女子バスケの良さは、試合で一生懸命にプレーして、速いバスケットをやって、3Pシュートを高確率で決めて、練習でも手を抜かないところ。自分たちは常にチャレンジャーという気持ちなので、怖さのようなものはないです。(パリは)楽しみという気持ちがすごく大きい。1年間休んで復帰するときに、ひとつひとつ課題を乗り越えていくのが楽しかったけれど、そういう意味でプレッシャーを乗り越えられるのが楽しみです」

【次ページ】 女子日本代表を強化し、ファンの応援する機運向上に重要な役割を担う三井不動産カップ

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