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結婚発表翌日、町田浩樹26歳に直撃「めっちゃ大変でしたよ」6年半かけて早大卒業…日本代表DFの文武両道記「特に芸術系の授業ですね」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/14 11:06
日本代表DFの町田浩樹。結婚発表翌日のタイミングでインタビューに応じてくれた
「芸術系の授業は特に面白かったです。特に、現代芸術学では、ある作品にはどういう意味があるのかなどを学んだりしました。クリスチャン・ボルタンスキーという生死をテーマにアートをする作家がいて。心臓音を録音できる美術館(*『心臓音のアーカイブ』)などは勉強していたら気になって、旅行をかねて1人で足を運んだこともあります。一度ハマると、さらに知りたくなる探究心があるタイプなんですかねぇ」
2021年、東京五輪での活動が予想されていた年には履修申請する授業の数を減らしたりするなどして、6年半かけて2022年に卒業。そして、早稲田の学生に与えられる最高の名誉、小野梓記念賞の2022年度のスポーツ賞も手にした。
結果的に、多くのものを手にできたわけだが、町田は自身の特異なキャリアを後輩に見習って欲しいと考えているわけではない。
「別に、みんなが大学に入る必要があるわけではないですし。経験した身として言わせてもらえれば、自分の好きなことだけを学べればいいかなと思うくらいです。ただ、ある程度、強制的にやらされることで新しい分野と出会える部分はある。それは自分にとっては良かった。普通に生活していたら出会えなかったわけですから」
人生の伴侶を得た今、好奇心はピッチでも生きる
ただ、無事に卒業するためには、好奇心に加えて、スケジュール管理の能力が求められるということだけは痛感した。
町田はスケジュール管理が昔から得意だった。時間管理術の本を読み漁ったわけではないし、この点について親から厳しく教育されたわけでもない。ただ、夏休みの宿題についても余裕を持って終わらせるタイプで、8月の最終週になって焦るようなことはなかった。今考えても、そうした気質がなければ、大学生活を完走することはできなかったかもしれない。
そんなスケジュール管理能力と好奇心は、海外で活躍する日本代表選手になり、人生の伴侶を得た今、サッカー以外の活動をする上でも大きな武器となっているという。
<つづく>