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安藤美姫の“教え子デート報道”はアメリカでどう見られているか? NY在住ジャーナリストが解説する「日本にはない専門機関」の存在 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2024/07/04 11:02

安藤美姫の“教え子デート報道”はアメリカでどう見られているか? NY在住ジャーナリストが解説する「日本にはない専門機関」の存在<Number Web> photograph by JIJI PRESS

現在はコーチ業などを行っている安藤美姫

過去にはコーチの“追放処分”も

 米国体操連盟のスキャンダルからもわかるように、アメリカでも各種アマチュアスポーツで協会側の隠蔽体質は問題視されてきた。2017年になって、ようやく連邦議会が動いて具体的な法案を通し、第三者監視機関を設立したのである。

 このSafeSportには逮捕権はないが、問題行動があったコーチの資格をはく奪したり、一定期間の活動停止などの処分をくだす。必要なら保安局と協力して、刑事犯罪で起訴することもある。またコーチだけでなく選手間の性的虐待も対象になっており、過去の事件でも通報への時効はない。

 フィギュアスケートでは2019年に元ペア選手のジョン・コフリンが元パートナーなど数名の女子選手への性的虐待を理由にSafeSportとUSFS(米国フィギュアスケート協会)から活動停止処分を科され、その後自死するという悲劇が起きている。また同年にはフロリダ州でトレーニングをしていたフランスのペア選手、モルガン・シプレが同じリンクでトレーニングをしていた13歳の少女に自身の性器の写真を送ったことが明らかになり、SafeSportに加えてフロリダ州保安局の捜査が進行中である。最も最近では今年の5月末にペアコーチのダリラ・サッペンフィールドが選手への精神的、身体的虐待を理由にUSFSから永久追放処分になった。

「疑われるような行為そのものが問題」

 今回の安藤コーチと未成年の生徒が週刊誌に報道された件は、アメリカだったらどう扱われていたのだろうか。

「まず最初にミキと生徒の関係がどのようなものかはわかりませんが、プロのコーチとして、不適切だと疑われるような行動をしたこと自体が問題です」とラザフォード氏。「36歳のコーチだったら、そのくらいの分別はなくてはいけません」

 フィギュアスケートでは大会の採点待ちをするキス&クライの場所で、選手とコーチがハグを交わし、時には膝の上に手を置いて励ますような行為は普通に見られる。

「でも私生活で一緒に行動し、お互いの腰に手を回す、という行為はコーチと生徒としての関係を逸脱していると解釈されても仕方ないと思います」

【次ページ】 アメリカならSafeSportの捜査対象

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