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Mリーグ“戦力外通告”から1年「もしまたチャンスがもらえるなら…」重圧に悩んだ大舞台に、それでも丸山奏子が“感謝する理由”
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/06/27 11:01
Mリーグの舞台を降りた後も、精力的に活動の場を広げている丸山奏子
丸山 最初はありましたね。これからどうなっちゃうのかな、って。Mリーグを離れたあとの生活なんて、想像つかないじゃないですか。とりあえず向こう2、3カ月はなんとかなるだろう、というイメージはあって、受けられる仕事はぜんぶ受けようという感じでやっていたんですけど……。ありがたいことに、Mリーガー時代に仕事のオファーをくれた方だったり、Mリーグに入る前からつながっていた関係者の方だったり、いろんなご依頼が尽きずに1年やってこられました。もちろん会社員のように安定しているわけではないんですけど、「ひとまずは生きていける」と安心しているところです(笑)。いまはやりたいことが多すぎて、麻雀の研究時間を捻出するのが大変ですね。
契約終了から1年「もしまたチャンスがもらえるのなら…」
――5年前のドラフトで指名されてMリーガーになったことは、丸山プロの人生において非常に大きな選択だったと思います。いま振り返って、後悔はありませんか。
丸山 後悔はまったくしていません。つらいことはもちろんたくさんあったんですけど、それ以上にいいこともたくさんありました。多くの人に応援してもらえるきっかけになりましたし、いまこうして仕事をいただけているのもMリーグを通じて知ってもらったからですし……。麻雀界のトップクラスの人と打つことによる学び、貴重な経験もたくさん積ませてもらいました。麻雀という自分が大好きなものを軸に生きていけているのは、Mリーグのおかげだと思っています。
――契約終了から1年が経って、「もう一度あの舞台に」という思いはあるのでしょうか。
丸山 あります。「クビになってホッとしてるってことは、私、もう戻りたくないのかな」と一瞬思ったんですよ。でも、選手じゃない立場からMリーグを見ていて、同世代のおかぴーや一緒に打つ機会が多いまりさん、いろいろ相談に乗ってもらった明奈さんがあの舞台で戦っている姿が、シンプルに「カッコいいな」と思って。正直、私はあの張り詰めた空気のスタジオで、ビクビクしながら打っているときもありました。もしまたチャンスがもらえるのなら、今度は恐れずに戦う気持ちを持って麻雀を打ちたい。そんな憧れが芽生えましたね。
年始に放送された『プロ野球 新春麻雀交流戦』で、久しぶりにMリーグスタジオで麻雀を打たせてもらって、「やっぱりいいな。こんな感じだったな」「私、ちゃんとMリーグに戻りたいって気持ちがあるんだな」と再確認しました。あの舞台はやっぱり最高にカッコいいし、あそこで打てるってすごいことだな、って。離れてみて、改めてわかったことかもしれません。