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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
“武居由樹vs那須川天心”は実現するか?「彼が来るのを待っている」武居が語った“天心への本音”「やらなくちゃいけない試合だな、と」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byYuki Suenaga
posted2024/06/12 17:01
キャリア9戦で世界王者となった武居由樹(27歳)。キックボクシング時代から意識する那須川天心との一戦について、本音を語った
「足立区から来た武居です」に込めた地元愛
――では、まだまだ先の話ですが、現役を引退したあとのイメージはありますか。こんなおじさんになりたい、とか。
それはあります。ひとつは、八重樫さんや古川会長みたいないいトレーナーになりたいと思っています。教えるほうにはちょっと興味があるんですよ。もうひとつは居酒屋でテレビを見ながら飲んでみたいです。飲んでグチグチ言ってるみたいな、なんかそういうダメな感じのおっさんに憧れがあります(笑)。
――下町が似合いそうなおじさんですね(笑)。武居選手は必ず「足立区から来た武居です」と言うくらいですから。
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ほんとに足立区に育ててもらったので、恩返ししたいというか、盛り上げたいというか。僕らは朝から練習でタイヤをひっぱたいたり、ドンドン音を立てたりしてうるさかったと思うんですけど、近所の人たちが受け入れてくれたんですよ。「うるさい」と通報されてもおかしくない。なのに、みんな応援してくれる。近所のおじいちゃん、おばあちゃんが「昨日の試合を見たよ」と言ってくれる。だから本当に感謝してるんです。
――それがキック時代から続けている「足立区から……」のセリフにつながっているわけですね。
ボクシングのデビュー戦のときに1回だけ「K-1から来た武居です」と言ったんですよ。そうしたらけっこう文句が出て、「足立区を捨てたのか」と(笑)。それでまた「足立区から」に戻しました。
――世界チャンピオンになって地元にも恩返しができたと思います。
今回は試合が終わってから「泣いたよ」と言われたんです。今まであまりなかったことなので驚きました。自分の試合で泣いてもらえるんだ、感動を与えられるんだと思って、自分が感動しました。がんばってきてよかったと思いましたね。
――次戦は9月の可能性が高いようですね。期待しています!
ありがとうございます。次は必ず倒して勝ちます!
<前編から続く>