酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈どうなるセパ新人王争い〉有力な西舘勇陽と武内夏暉、話題の度会隆輝だけでなく…「ドラフト下位と育成、移籍組」も逆転チャンスあり
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/06/11 11:00
巨人のリリーフ陣の一角を担う西舘勇陽。彼以外の新人王、有力な候補は?
西武の武内は早くも4勝、新人ながら最下位西武の先発の柱になっていたが、6月4日NPB感染症特例で抹消された。日本ハムの金村は救援投手として6ホールド、5月8日から先発に転向するも5先発で2敗と結果が出ていない。
主力投手の戦線離脱が続くオリックスは高島、齋藤、古田島と新人王有資格者が救世主的な活躍を見せている。古田島は開幕から19試合、まだ無失点。さらに6月9日には育成から支配下登録された大型左腕・佐藤一磨が巨人戦で初先発初勝利を記録した。
なおソフトバンクの長谷川は救援ながら4勝しているが、日本ハムから今季移籍。新人王をとれば彼も初の「移籍を経ての新人王」になる。
パ・リーグでは西武の武内が一歩抜きん出た印象があるが、まだ確定的ではない。
例年、前半戦の時点では規定打席、規定投球回数に達した新人王有資格者が数人はいるものだが、今年はなし。今季はやや小粒の感がある。ということは、これから一軍登録される選手でも可能性があるということだ。新勢力の台頭に期待したい。
週間記録セ:大瀬良がノーヒットノーラン
【2024年6月3日~6月9日 週間成績】
〈セ・リーグ〉
・今季成績
広 島55試28勝23敗4分 率.549
阪 神59試29勝26敗4分 率.527
巨 人60試29勝27敗4分 率.518
中 日59試25勝29敗5分 率.463
DeNA58試26勝31敗1分 率.456
ヤクルト58試24勝30敗4分 率.444
・10週目の成績
ヤクルト6試5勝1敗0分 率.833
広 島6試4勝2敗0分 率.667
阪 神6試3勝3敗0分 率.500
DeNA6試2勝4敗0分 率.333
巨 人6試2勝4敗0分 率.333
中 日6試2勝4敗0分 率.300
交流戦第2週は18勝18敗と五分の成績。ヤクルトは日本ハムに1敗しただけと快調。阪神は3連敗のあと3連勝。この結果、セは首位広島から6位ヤクルトまでのゲーム差が5.5差と混戦模様となっている。
〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標、RC=Run Created順
オースティン(De)24打9安2本6点 率.375 RC7.10
細川成也(中)21打9安2点 率.429 RC6.30
中野拓夢(神)26打9安3点 率.346 RC6.01
筒香嘉智(De)16打6安1本4点 率.375 RC5.80
サンタナ(ヤ)20打7安2本6点 率.350 RC5.24
DeNAのオースティン、筒香の2選手が中軸らしい活躍。本塁打はオースティン、ヤクルトのサンタナの2、打点はオースティン、サンタナに阪神の森下翔太の6が最多。巨人の立岡宗一郎が2盗塁を決めている。
〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順
大瀬良大地(広)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.30
才木浩人(神)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.049
森下暢仁(広)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.049
ヤフーレ(ヤ)1登7回 責0率0.00 PR1.79
大竹耕太郎(神)1登6.2回 責0率0.00 PR1.71
広島の大瀬良は6月7日のロッテ戦で史上90人目102回目のノーヒットノーラン、前週の巨人、戸郷に次いで今季2度目。阪神の才木は9日の西武戦で8回1死までノーヒット。救援ではヤクルト田口麗斗が3セーブ、中日の松山晋也、藤嶋健人が3ホールドを挙げた。