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甲子園の風BACK NUMBER
大谷翔平は「書かずに勉強していた」花巻東の同級生・山根大幸が振り返る高校生活、その後の野球人生「引退を報告すると翔平からは…」
posted2024/06/10 11:02
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph by
Sankei Shimbun
お好み焼き屋タイムアタック
日本生命保険相互会社に務める山根大幸さんは、花巻東(岩手)で過ごした高校3年間、大谷翔平と寝食をともにした。入学当時、野球部寮は一つしかなかったが、2年生に上がるタイミングで1年生が多く入部したこともあり、新たに第二寮を増設。山根さんや大谷ら2年生5人が第一寮から引っ越した。
「新入部員の1年生と合わせて20人ぐらいいました。アパートみたいな感じで、点呼も早いし、同級生と話す機会もあまりないので、早く寝ることができます。翔平はちょうどケガをしていたというのもあって、早く寝られるように第二寮へ移動したみたいです」
プライベートでも大谷との思い出は数多い。花巻東は、練習が休みの日も、授業後から18時頃までミーティングが行われる。その後、2人で自転車をかっ飛ばし、お好み焼き店へと向かう。ちなみに、寮の門限は19時だ。
「寮でお好み焼きは出ないので『絶対に食べたい』って言うんです。でも、とにかく時間がなくて、注文して自分で焼いていたら、門限近くになるので、急いでパックに詰めて寮に戻っていました(笑)」
大谷の勉強法
テスト前には、一緒に勉強をしたこともある。机に向かう山根さんの傍らで、大谷はベッドに寝転がり、参考書などを熟読する。
「書かずに勉強していました。書いているのは見たことがないですね。『ずっとこうやって集中して見ていたほうが分かるから』と言っていました。要領は良かったと思います」
野球部はテスト後に集められ、平均点順に並ばされた。赤点におびえる選手もいる中で、大谷は常に最前列をキープ。佐々木監督の勧めで、投手陣が出場した地域の水泳大会では、50メートル自由形であっさり上位に食い込むなど、何でも器用にこなした。