「ああ、やっぱりか」

　こんな心境で、なす術がありませんでした（笑）。クジ引きが2度もあるのに、最高序列を含めて「最善手」を全て選んでいる。藤井八冠はそういう星のもとに生まれたのだろうな、とあらためて沁みた次第です。

今度は渡辺九段と指名がかぶった…！

　とはいえずっとガッカリしてるわけにはいかず、1巡目指名のやり直しに。ほかのチームから指名を受けていない人となると……「羽生先生を指名できなかったパターン」として候補の中にいた佐々木大地七段にしようと決めたんです。そうしたらなんと、今度は渡辺明先生とかぶったんです（笑）。

　抽選になったときの正直な心境ですか？

「またクジを外したら、どうしたらいいんだろう。少しマズいな」

　そんな気分でした。なので、なんとか当たってくれ……と願って引いたところ、当たりクジが私の元に。渡辺先生は渡辺先生でその前に伊藤匠七段を外していたので、少し申し訳ない気持ちもあったんですが、これがドラフト会議なのだと自分に言い聞かせていました。

　1巡目指名だけではありません。2巡目指名でも「おやっ！」と思う出来事があったんです。＜つづく＞

#2に続く

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