野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
「度会隆輝には使い続ける魅力がある」DeNA元GM高田繁(78)が語る“使い続けたくなる”選手とは?「結果が出なくなった時は…監督の覚悟だよ」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by(L)Hidenobu Murase、(R)JIJI PRESS
posted2024/05/15 11:01
シーズン序盤を大いに盛り上げる活躍を見せたドラ1・度会だが、少しずつ失速気味に。それでも高田氏は「使い続ける魅力がある」という
「度会は使い続ける魅力がある」理由は…?
――その後も度会選手はスターの片鱗を見せつつ、1番ライトで出場を続けていましたが、ここ最近は打率も下がってきて、打順を落としたり休ませたりしています。
高田 結果が出なくなってきてから、この先どこまで使い続けるか。これが監督の覚悟だね。当然、これからは今まで以上に苦労や壁に当たるよ。なぜってプロ野球は毎日が試合なんだよ。週に5~6日。今はまだいい。開幕からよーいドンの時にはみんなコンディションもいい。
だけど、週1日の休みだけで試合に出続けることがどれだけ大変か。身体があちこち張ってきて、痛いのカユいのは当たり前。腫れて、熱出て、体調崩して……というなかでも試合に出続けて結果を残すという未知の世界のことをやる。それでも度会は使い続ける魅力がかなりあるんじゃないかなぁとは思う。
――「使い続けたい」と思わせる魅力とはなんですか。
高田 人の目を惹く能力。あとは失敗しても成長することだね。いくらアマチュアの実績があって、即戦力のドラ1で騒がれようが、そのままではダメ。今ある環境に適応して成長せな。キャンプから紅白戦、オープン戦、公式戦と対戦のレベルが上がる度に自分の力も上がっていける、そんな人は成長する。1年目はとにかく触るものすべてがはじめてのことばかりや。
環境の変化にマイナーチェンジを少しずつでも重ねていければ、やがて相手のエース級と対戦しても、対応できるようになる。そのためには目を瞑ってでも経験を積ませるしかない。どんどん打席に立たせて、一軍のいいピッチャーと対戦させる。壁に当たって休ませていたら、その壁を乗り越える力がいつまで経ってもつかない。そのなかで成長が見られなくなってくると、やっぱり使い続けることは難しくなるけどね。
<次回へつづく>