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藤井聡太21歳&羽生善治53歳“120冠チーム”爆誕は「アベンジャーズみたい…」観る将マンガ家が大興奮「43歳“山ちゃん”タイトル挑戦も!」
posted2024/05/01 06:02
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida/Keiji Ishikawa
ゴールデンウィークに突入して、観光やスポーツ観戦に出かける人々も多いでしょう。実際、僕ら夫婦もサッカー観戦に勤しんでいるわけですが、スマホでの将棋中継やトピックスの数々にビックリする1カ月間でした。だって、まさか藤井聡太八冠(獲得タイトル21期)と羽生善治会長(同99期)の「120冠コンビ」が爆誕するとは……ということで、さっそく振り返っていきましょう!
1)名人戦、藤井八冠連勝と豊島九段の意地
将棋界最古のタイトル戦、第82期名人戦が開幕しました。昨年、20歳10カ月で史上最年少名人となった藤井名人は、同タイトル初の防衛を懸けて、同じ愛知県出身の豊島将之九段との対局に臨んでいます。
4月10、11日に東京の椿山荘で行われた第1局、23、24日に千葉の成田山新勝寺で開催された第2局と藤井名人が連勝を飾ったわけですが……結果だけを伝えるには惜しいほど。編集担当さんからもこんな話が。
「先日、NumberWebで執筆していただいている田丸昇九段とお電話したのですが、名人戦の話題で盛り上がって〈いやあ、豊島さん、非常に際どいところまで迫っていきましたね。そこまで追い詰められても勝利をものにする藤井さんもさすがですね〉と、興奮した口調でしたよ」
そうなんです、どちらも最後の最後まで白熱した対局でした。第1局は藤井名人が圧倒的な強さを誇る(2023年度は24勝1敗、勝率にして.960!)先手番ながら、入念な作戦で臨んだ豊島九段が2日目の勝負所で最強の駒の1つである「角」を手放すなど、じりじりとした戦いの中で、勝利に近づいていたようです。しかし……藤井玉が上部に逃げようとする中、豊島九段は香車を盤上に放ちました。この「たった1手」の選択によって、形勢は入れ替わり、藤井名人が先勝しました。
康光九段が「このポーズは危険です!」
お気づきのファンも多いとは思いますが――中継で藤井名人の姿勢を見ていると、評価値がなくても「形勢がどちらに触れたか」がなんとなく分かることがあります。豊島九段が香車を打った場面でも、藤井名人は右手を握って口元に持っていきました。
この様子を見て、察知したのはABEMA解説の佐藤康光九段でした。