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オリンピックPRESSBACK NUMBER
両親&弟は東大、自身は「偏差値70超の進学校→早大」へ…競泳“パリ五輪代表”松本信歩を育てた教育方針「勉強はやらされ感がありました(笑)」
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph byAFLO
posted2024/05/01 11:01
今年3月に行わてれたパリ五輪代表選考会で2位に入り、200m個人メドレーで自身初となる代表に選ばれた早大4年の松本信歩(東京ドームスポーツ)
メディア等では「東大卒の親は、子どもに『勉強しなさい』と頭ごなしに言わない」というような言説を目にすることも多い。だが「勉強に関しては全然、自発的ではなくて。普通にやらされ感がありました」と本人は苦笑する。
「ただ、勉強と水泳で『めちゃくちゃ忙しい!』みたいな感じはなかったですね。塾もほとんど行ったことなかったですし。親からは『ちゃんと学校の課題だけはやろう』ということをずっと言われていました。それもあって勉強するのは当たり前というか、義務みたいに思っていました。『水泳はいつ伸びなくなるかわからないから、勉強して損はないよ』という感じで言われていたと思います」
毎日、学校を終えればスイミングに行き、それを終えて夜、家に帰れば黙々と学校の課題をこなす。文字で記せば何の変哲もない日常ではあるが、それを日々着実に繰り返すことの難しさは多くの人の想像に難くないだろう。
水泳は「やりたいこと」、勉強は「義務」
ただ、決して積極的ではなかったという学業面に関しては、水泳に打ち込んでいたことがプラスに働いたことが大きかったという。
「水泳は楽しかったし、自分にとっての『やりたいこと』だったんですよね。その『やりたいこと』をやらせてもらって、両親には送り迎えとかもしてもらっている。じゃあ、普段から言われている自分の“義務”である勉強もちゃんとやらないとダメだな。そんな風に思っていた気がします」
裏を返せば、松本がそう考えるようになれたこと自体が両親の指導の賜物だったといえるのかもしれない。
「勉強も分からないところは両親に聞けば教えてくれましたし、そういう意味ではやりやすい環境だったのかもしれません」
ただ、多感な10代の頃でもある。友人と遊びに行ったり、趣味の時間が欲しい……というようなことは無かったのだろうか。