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「巨人入り決定的」報道も「惑わされることはなかった」DeNA編成トップに聞いた、悲願の筒香嘉智「復帰計画」が成就するまで
posted2024/04/27 11:07
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
嬉し涙か豊穣の雨か――。
4月18日、横浜スタジアムで筒香嘉智の入団記者会見が開催された。冷たい小雨が降りしきる中、わずか2日前の開催告知だったにもかかわらず、集まったファンは約9600人。かつてハマスタで響き渡った筒香の応援歌が盛大に奏でられ、ファンは5シーズンぶりに帰ってきた“横浜の象徴”の言葉に耳を傾け、歓喜に沸いた。
我々の想像を超える反響でした
筒香とともに会見に出席した横浜DeNAベイスターズチーム統括本部の本部長・萩原龍大氏は、あの日に見た光景を思い浮かべ感嘆しつつ語る。
「我々の想像を超える反響でした。うちは開幕前にスタジアムで必勝祈願を行うのですが、その時は大体3000~4000人のお客さまがいらっしゃいます。しかし筒香選手の会見にはその倍以上のお客さまに来ていただきました。また早い時間から来場する方々の行列ができ、開門時間を早めるなど、これはとんでもないことが起きているなと感じましたね」
筒香が日本に帰ってくること。それはDeNAのみならず、球界を揺るがす出来事だった。
空けていた25の背番号
2019年のオフに、10年間過ごしたベイスターズを離れ、ポスティングでアメリカへ渡った“ハマの大砲”。DeNAは敬意を表し背番号25を準永久欠番とし、三原一晃球団代表(当時)が「現役選手として日本に戻ってくるときには、我々に声をかけてほしい」と伝えてから約4年半、DeNAはつぶさに筒香の動向を追ってきたという。筒香の代理人であるジョエル・ウルフ氏を通じ、過去、日本に戻る意思はあるのか確認してきたというが、あくまでも筒香の考えを尊重し、強引なアプローチをすることはなかった。萩原氏は言う。