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「巨人入り決定的」報道も「惑わされることはなかった」DeNA編成トップに聞いた、悲願の筒香嘉智「復帰計画」が成就するまで
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/27 11:07
18日に行われた筒香嘉智のDeNA入団会見。DeNAの編成トップの任を務めるチーム統括本部本部長が入団決定に至るまでを振り返る
「筒香選手は、編成(戦力)面だけで終わる選手ではないんです。球団全体のイメージにも関わりうる存在ですし、球団の未来に大きく影響すると考えています。ですから、交渉時のプレッシャーは非常に大きなものでした(苦笑)。復帰が決まった際は、前任の三原から『やっと俺の仕事が全部終わった気がした』と言われましたよ」
起用はどうなる?
筒香獲得に関して、タイラー・オースティンのコンディショニング不良により急遽舵を切ったという報道もあったが、萩原氏は「そんな短絡的な案件ではないんです」と一笑に付した。また交渉条件として“監督手形”を切ったという情報もあったが「推測するのは自由ですが、そのような条件は一切ありませんし、なにより筒香選手自身がそれを望むことはありません」と、かぶりを振った。
さて、筒香が加入することによってチームはどのように変化していくのだろうか。編成面からすれば、ファーストと外野手の層を厚くするために獲得したわけだが、アメリカでの戦績を見るかぎり、打撃に関しては本人いわく満足のいくものではなかった。
「どのように起用していくかは、三浦大輔監督ら現場にお任せしています。ただ、先ほども言いました通り、現在の筒香選手がいかなる状態であっても獲得には絶対に動いていました。この数日で彼の様子を見て驚いたのは、自分のことを自分で深く理解しているということです。一軍までの道のりをどのように作っていくのかが明確で、これは過去にはないやり取りでした。言われたままの調整をするのではなく、今の自分に何が必要なのかがわかっている。我々としても勉強になりますし、こういった姿勢がチーム全体として当たり前になるのが理想ですね」
筒香に期待する役割
筒香の復帰によるチームへの波及効果やシナジーは大きいと、会見で「優勝への起爆剤になる」と語った萩原氏は見ている。