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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
首位打者・大谷翔平の得点圏打率.130だが「トラウトらと同じで問題ない」ワケ…初球打ち打率4割、39本塁打もスゴい中で“データ以外の懸念”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2024/04/24 17:01
得点圏打率が取りざたされている大谷翔平だが、「初球打ち」では凄まじい成績を残している
MLBではストライクゾーンを積極的に攻める投球が多い。それを見越して大谷はバットを振っているのだろうが――それに加えて、大谷の打球速度が凄まじい。
MLB公式サイトの「スタットキャスト」によると、現地4月22日時点で大谷の打球の初速スピードは最大で115.8mph(186.4km/h)だった。これは全選手中の4位で、ドジャースの打者では史上最速だった。また95mph(152.9km/h)以上の打球(ハードヒット)数は全選手中最多の47だ。そして23日のナショナルズ戦で放った6号本塁打では、118.7mph(191km/h)というキャリアハイの打球速度をマークした。
この猛烈なバットスピードがあるから、大谷の打球は多少芯を外れても、角度が低くても遠くに飛ぶ。それによって安打になる可能性がグッと上がるのだ。
大谷の初球狙いが広く知られるようになれば、ボールから入る投手も増えるだろう。とはいえ思い切ってバットを出す積極性がある限り、結果はついてくるのではないか。
むしろ懸念は「今季も休まない」こと
筆者はそういう問題以上に、大谷が今季も「休まない」のではないか、と懸念している。
ベッツ、フリーマンと大物のチームメイトがいるのだから、適宜休養を取るべきだと思うが――彼自身は、2番DHで162試合出る気ではないか、と思う。
それに早くも5盗塁とリーグ10位タイ。第1回での松井秀喜との比較で触れたように「走れるスラッガー」ぶりを示すスタッツだが、それだけ怪我のリスクもある。
大谷も今年で30歳になる。また今春は大変なことがあった。大谷翔平には少しは「自重する」ところがあっても良いのではないかと思う。
名将ロバーツ監督はこれを重々承知して適宜休養を取らせるとは思うが――来年の二刀流復活に向けて、大谷翔平は自重しつつ頑張ってほしいと思う。<第1回「松井との比較」編からつづく>