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大谷翔平、松井秀喜とのメジャー成績比較で「走れる広角アーチスト」がクッキリ…177号以降はジャッジら“2020年代最強打者争い”頂点へ

posted2024/04/24 17:00

 
大谷翔平、松井秀喜とのメジャー成績比較で「走れる広角アーチスト」がクッキリ…177号以降はジャッジら“2020年代最強打者争い”頂点へ<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/Koji Asakura

大谷翔平と松井秀喜。アメリカで数多くのアーチをかけてきた2人を比較するとメジャー史の変貌もわかってくる

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki/Koji Asakura

 大谷翔平がナ・リーグ安打数でトップに立つともに、松井秀喜を超えるメジャー通算176本塁打を放った。一方で得点圏打率について取りざたされるなど、話題になったスタッツから序盤戦の大谷を読み解いていく。(全2回/第2回も配信中)

 4月21日のメッツ戦で、大谷翔平はMLB通算176本塁打を記録。松井秀喜を抜いて、NPB出身の日本人選手最多となった。さらに23日のナショナルズ戦でも2試合連続の本塁打を打ち通算177本となった。今季6号の打球速度118.7mph(191km/h)はキャリアハイ、飛距離136.8mという特大の一発だった。

〈NPB出身の日本人選手、MLBでの本塁打数5傑〉※カッコ内は本塁打率。現地時間4月23日現在
 大谷翔平 177本塁打/741試合2582打数(14.59)
 松井秀喜 175本塁打/1236試合4442打数(25.38)
 イチロー 117本塁打/2653試合9934打数(84.91)
 城島健司 48本塁打/462試合1609打数(33.52)
 井口資仁 44本塁打/493試合1841打数(41.84)

 松井秀喜が10年1236試合かけて打った175本を、大谷翔平は7年740試合で抜いた。

 巨人で10年間主軸打者として活躍した松井秀喜は、29歳になる年に周囲の慰留を振り切る形でMLBにFA移籍した。これに対して大谷翔平は入団時から「MLB挑戦」が前提になっていて5年でMLBにポスティング移籍。24歳になる年だった。5歳の年齢差があったことは留意すべきだろう。

松井と大谷、両方から本塁打を打たれた3人とは

 松井秀喜が引退したのは2012年。大谷はこの年のドラフトで日本ハムに入団し、2018年からMLBに挑戦した。

 2人のMLBでのキャリアは重なっていないし、6年のブランクがあったが、松井秀喜、大谷翔平両方から本塁打を打たれた投手は3人いることが分かった。

★ジェームズ・シールズ
 松井(ヤンキース)2006年9月14日デビルレイズ戦2回右翼ソロ
 松井(ヤンキース)2007年7月22日デビルレイズ戦2回右翼ソロ
 松井(ヤンキース)2008年4月6日レイズ戦4回右翼2ラン
 松井(アスレチックス)2011年7月27日レイズ戦4回右翼3ラン
 大谷(エンゼルス) 2018年7月25日ホワイトソックス戦5回右中間2ラン

★エドウィン・ジャクソン
 松井(ヤンキース)2008年4月15日レイズ戦2回右中間ソロ
 大谷(エンゼルス)2019年6月17日ブルージェイズ戦2回左翼3ラン

★ジャスティン・バーランダー
 松井(エンゼルス)2010年4月22日タイガース戦5回左中間ソロ
 大谷(エンゼルス)2018年8月25日アストロズ戦4回左中間2ラン

 3人とも実績十分の先発投手だ。

【次ページ】 同じ左打ちの強打者でも、数字を見るとタイプが違う

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大谷翔平
松井秀喜
ロサンゼルス・ドジャース
ニューヨーク・ヤンキース
アーロン・ジャッジ
ジャスティン・バーランダー

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