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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平ドジャース10年1000億契約に「ジョークだろ?」MLB役員が憤慨していた“超異例の97%後払い”の是非
text by
ジェフ・フレッチャーJeff Fletcher
photograph byGetty Images
posted2024/03/31 11:00
ドジャースの本拠地開幕戦に臨む大谷翔平
「野球界に関わっているすべての方々とファンの皆様、決断に至るまで長い時間がかかったことをお詫び申し上げます。私は次のチームとしてドジャースを選びました」
大谷が投稿したポストには、そんなメッセージと合わせて、ドジャーブルーのロゴも貼られていた。
そして、6年間支えてくれたエンゼルスとそのファンに感謝の言葉を述べ、今後の残りの野球人生のすべてを、ドジャースおよび野球界の発展のために捧げる、と誓いの言葉を続けた。
彼の最終目的地自体はそれほど驚きではなかったものの――つい1日前には全世界が大いなる誤解をしていたが──大谷の新契約に関してもっとも驚かされる事実が、SNSでの発表から間もなくして出された。
バレロが公式声明で、今回の契約は、「10年で7億ドル(約1015億円)」と明らかにしたのだ。
これは、これまでの記録を40%近く大幅に上回る金額だった。
具体的には、マイク・トラウトの12年4億2650万ドル(約618億4250万円)の契約だ。合計金額でいうと、スポーツ選手史上最高額であり、4年6億7400万ドル(977億3000万円)の契約を結んだサッカー選手のリオネル・メッシをはるかに上回ったことになる。
NFLのカンザスシティ・チーフスのスター選手で、クオーターバックを務めるパトリック・マホームズの契約は10年4億5000万ドル(約652億5000万円)だった。
シャーザーを上回る“後払い”の金額
しかし、本当に驚かされたのはここからだった。大谷の契約には「前例がない」後払い条項があるという話が一気に広まった。つまり、大谷は契約期間中は年俸の大部分を受け取ることがなく、かわりに契約終了後に全額が支払われるというのだ。
右腕投手のマックス・シャーザーが2015年に交わした7年2億1000万ドル(約304億5000万円)の契約で、半分をのちに受け取るという条項が入っていたのだが、これが野球史上で最大の後払い条項だった。
大谷がいくらを後払い分にまわしたのかは誰も知らなかったが、2日後になんと年俸の97%を後払いにまわすことに大谷が合意していたことが判明し、大きな衝撃をもたらした。
つまり、今後10年間は毎年わずか200万ドル(約2億9000万円)だけを受け取り、残りの6億8000万ドル(約986億円)は11年後から毎年払われるようになる、しかも、無利子だというのだ。
この無利子、後払いにより、MLBは現時点での大谷の市場価格を10年間で約4億6000万ドル(約667億円)と見積もった。仮にそれで後払いがなかったとしても、大谷がこの金額を受け取れば、史上最高額の選手になることはかわりがない。