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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ギャンブル依存症は欧州サッカーも蝕む…“3兆円級”イタリアの違法オンライン賭博騒動「真夜中にスマホで」“優等生MF”の転落証言が生々しい
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byClaudio Villa/Getty Images
posted2024/03/28 17:26
2022年のトナーリとザニオーロ。翌年の秋、違法オンライン賭博問題によってイタリア代表から離脱することになった
ファジョーリに下された7カ月間の公式戦プレー禁止令は、イタリア国内のみならず欧州全域そしてFIFAに加盟する全世界の国と地域で有効化され、さらに罰金1万2500ユーロ(※当時レートで約198万円)が科された。
前途有望のホープからギャンブル依存症へ完全に転落した彼の言葉が重い。
「昨年は人生最悪の1年でした。練習にも試合にも身が入らなくなって、それでも真夜中にスマホで(違法)ベッティングを続けることは止められなかった。セリエBだろうが3部リーグだろうが、TVで目についた試合に手当たり次第賭けるようになっていた」
長期出場停止、そして依存症治療セラピー
ファジョーリへ違法サイトを紹介し、古巣ミランの試合にも賭けていたトナーリには、出場停止10カ月間と罰金2万ユーロ(※同317万円)とより重い処分が下った。
加えて2人には、ギャンブル依存症の治療セラピーへ参加がFIGCから義務付けられた。
賭博行為の代償に、ファジョーリとトナーリはサッカーを失った。
ギャンブル依存症だった彼らは今、何を思い、出場停止期間をどう過ごしているのだろう。
<つづきは第2回>