酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈知の甲子園〉高校生の野球研究がスゴい「野村IDをMLB解析で再構築」「野球部マネ仕事の現状」…桑田真澄や吉井理人の姿も
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2024/03/18 11:02
日本野球学会での表彰式の様子
これらの発表の中から、今年は立花学園高校「高校野球のマネージャーの仕事の現状とこれからの課題」が奨励賞に選ばれた。
「大学の方が本来の業務に近いと」
表彰状を授与された佐々治美歩さんはこのように語っている。
「今のマネージャーの仕事は、本来の意味である管理するとか、運営する、とかいう内容になっていません。今後は、本来のマネージャーの仕事に近付く必要があるのではないかと思い、調査をしました。
結果的にやはり高校よりも大学のマネージャーの方が本来のマネージャーの業務に近いことがわかりました。今の高校野球でやっているアシスタントに近い業務に加えて、大学のマネージャーの仕事も取り入れていこうと思いました」
甲子園だけでなく、こういう形で、高校生たちが「野球学」について研鑽を積むのは、誠に頼もしいことだ。「知の甲子園」と表現しても良いだろう。
こうした発表者の中から、選手だけでなく優れた指導者や研究者も出てくることを願いたい。