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「野村(克也)さん、矛盾があると思ったね」岡田彰布66歳が明かす“確執説”の真相「二軍なら…でも、それぞれ考えが違うのは当然やと」
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph bySankei Shimbun
posted2024/03/14 11:02
楽天時代の野村克也監督と阪神・岡田彰布監督
次の年におれが二軍監督で、一軍に野村監督が決まった。それから5年間、ファームは2位が1回だけで、ずっと優勝した。普通にやったら勝つんやから。もう勝たんでええいうのに勝ってしまう。
野村さんは「長所を伸ばすより、短所を直したほうが早い」という考えやった。だからおれとは違っていた。それでも、そら一軍の監督がそういう考え方やったら、二軍の監督もそれに従わんとしゃあないやん。同じようにせんと選手が戸惑うし、そら合わさんといかんわな。
おれはホームランを打てるヤツは、ホームランを打てって考えやから。噛み合わんかったのは確かよ。
でも、監督それぞれに違うというのは当然やと思うよ
野村さんの考えも、矛盾しとるとこがあるとは思ったね。それやったらドラフトでスカウトに「1つでも、何かどこか秀でている選手を獲ってこい」と言うとったのは、どういうことなんかなと。
でも野球に対する考え方が、監督それぞれに違うというのは当然やと思うよ。みんなが一緒の考えは持っていないし、それはそれでええんと違うかな。
阪神に来て「ノムラの考え」というのも見せられた。けどあれはバッテリーのことばかりで、捕手からの視点やからね。打撃のことはほとんど何も言ってない。ゲームに勝つための方法論や、打撃論というものはない。守りのフォーメーションとか、そういうことが中心になっている。