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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「プロ野球時代の年俸は超えた」桑田・清原の同期ドラ1が語る“勉強しない高校生”の行く末…会社員でも飲食店でもない“プロ0勝右腕”の再起
text by
元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph byMasato Daito
posted2024/02/29 11:01
桑田・清原と同期ドラ1が語る引退後「プロ野球時代の年俸は超えた」
プロ野球の課題や改善点についても、実績のある佐々木の主張なら聞き入れられる可能性がある。世間に対するアピールにもなるだろう。そう、まだ若手だった桑田が「喫煙者と非喫煙者のバスを分けてほしい」と言ったように。
“球界の至宝”佐々木朗希に注文
「俺みたいな元選手が言うことじゃないんやけど……」と言いながら、桧山は続ける。
「プロ野球は実力の世界。数字を残した選手の言葉には力も説得力もある。今後、メジャーリーグでも活躍する可能性のある佐々木にはプロ野球全体のことを考える責任があると思う。プロ野球OBなら誰しも佐々木のことは気になっているんやないかな。監督やコーチ、解説者はネットなどで炎上することを恐れて口にできんかもしれん。プロ野球から離れたくて今の仕事を選んだ俺だから、あえて言わせてもらうよ。
もしかしたら、チームの中で先輩が後輩を指導するということもなくなったのかもしれんね。先輩・後輩のタテの関係、同期のヨコの関係があってチームは成り立っていた。それが昔のプロ野球のいいところだったと思う」
近鉄を退団してから30年が経ち、桧山は初めて有志によって開かれたOB会に参加した。
「あの頃のピッチャーで、どこも故障していない人、痛みのない人はいなかったと思う。朝起きてすぐに痛みを確認しながら、自分なりのやり方で投げられるようにもっていった。今と比べれば年俸は低かったけど、みんながチームのために投げていたよね。もちろん、個人の成績のためでもあったけど」
1月に行われた近鉄OBの集まりには土井正博、栗橋茂、梨田昌孝、羽田耕一、村田辰美、加藤哲郎など歴戦の強者が顔を揃えていた。
「みなさん、本当にいい表情をされていたよね。目の前で起こっていることの答えが出るのは20年後かも、30年後かもしれん。今の選手たちも数十年経って、近鉄の先輩方のような表情でチームメイトと集まれる、そんなプロ野球であってほしいね」