筒香　確かに日本だと、そうすれば打てたんですよね。で、アメリカでそれをやったこともあります。でもどうしてもボールが動くんで、自分のバットの軌道だとゴロになってしまう。

――確かにゴロ率が高かった。

筒香　そうなんです。だから速いストレートをいい当たりで捉えているんですけど、ゴロとか外野のライナーとかになってしまうことが多かった。打球速度の平均は速くても、周囲の方からしたら『やっぱりストレートを打てていない』という評価になっていました。自分の中でも、ポイントをただ前に出しても『僕のバット軌道、ラインだとやっぱりゴロになるな』っていうのがありました。微妙に動くボールが本当に多いので、そこをストレートのくくりで、その小さな変化球がきても、ゴロにならないラインにバットを入れて打つ。そういうバットの出し方、いまはその感覚にようやく辿り着けたと思います。

――どうやってその感覚に辿り着けたんでしょうか？ 

筒香　昨年、レンジャーズからオプトアウトして独立リーグのチームに行くまでの期間が1カ月弱ありました。その時にもう1度、色んなことを見直していく中で、この方向だっていうのがちょっと出てきたんですね。やっぱりオフシーズンの練習では、どれだけ必死に頑張っても足りない部分があるんです。しかし昨年はオプトアウトして、昨日までシーズンを戦ってきた状態から練習に入ることができた。実戦で身体を動かすイメージがしやすくて、そのなかで試行錯誤できた。結果として自分の中で、バッティングってやっぱりこうなんだなっていうのが出てきた感じですね。

昨年はテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、6月まで3Aでプレー　©︎Getty Images

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――そこで得た感覚を持って独立リーグでプレーしたということですね。結果は？

筒香　ピッチャーの質的には、独立リーグですからもちろん落ちるんですけど、何て言うんでしょう……自分が自分のバッティング、自分の体を、自分でコントロールできて、ピッチャーに対しての勝負ができているなっていう感覚が出てきたんです。そこからやっぱり大きく変わりました。

5年目の今年がダントツにいい

――そこからジャイアンツの2Aでも結果を出して（13試合で打率3割1分1厘、4本塁打、OPS1.014）、改めてメジャーへの道のりが見えた感じですね。

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