- #1
- #2
箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝出場の4年生は卒業後、何をする? 有力選手の進路先一覧「トヨタ、ホンダ、スズキと名門ズラリの中央大」「箱根好走でも引退する選手も」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2024/02/18 06:01
箱根駅伝でトップ10入りを果たした各校の表彰の様子。箱根駅伝に出場した4年生は卒業後、どのような進路が予定されているのか
東海大「悲運のエース」が身を置くのは…
箱根総合11位、東海大のエース石原翔太郎は、SGホールディングスに入社予定。最後の箱根は足底を痛めたなかで苦しい走りになったが、まずはコンディションを整えてトラックシーズンに臨むことになる。ポテンシャルは高いのでこれから吉居や鈴木ら同世代と競い合い、どんなランナーに成長していくのか、楽しみだ。
箱根では総合14位となった立教大のエースで、10区3位と好走した関口絢太もSGホールディングスに入社予定。181cmのすらりとした身体でのダイナミックな走りは伸び代しか感じられない。自治の立教から自主性を重んじるSGホールディングスへ、マイペースを貫ける環境でスピードを磨いていく。
4区10位の中山凜斗は、西鉄に入社予定だ。熊本県の九州学院出身で、地元・九州エリアの福岡を拠点に陸上競技をつづけていく。ロードが得意なので、駅伝では大きな戦力になり、個人ではマラソンに挑戦する予定だ。設楽啓太、悠太兄弟(いずれも東洋大卒)や久保和馬(山梨学大卒)から学び、大成できるか。
総合順位では苦戦、明治大は…
箱根駅伝総合20位の明大では、2区23位の児玉真輝がGMOインターネットグループに入社予定だ。最後の箱根駅伝は力を発揮できなかったがスピードとタフさを持つ選手。自主性重視の社会人の環境に対応していければ、夏以降、結果が出てくるだろう。
今回は3区を走り11位、前回は7区区間賞の杉彩文海は、三菱重工に入社予定。「メンタルが強く、体が頑丈」と山本豪監督から評された杉は、ロードでの安定感がピカイチだ。マラソンで世界を狙う杉にとって井上大仁(山梨学大卒)、山下一貴(駒澤大卒)が所属する三菱重工は最適のチーム。迫力のある走りで、どんなマラソンをみせてくれるのか、非常に楽しみだ。
東農大のダブルエースは?
10年ぶりの箱根駅伝出場を果たした東農大(総合22位)のダブルエースで、1区11位の高槻芳照は富士通に入社予定。大学でスピードに加え、スタミナで持っていける選手に成長。富士通は塩尻和也(順大卒)、鈴木健吾(神大卒)らトラック、マラソンに強い選手が多く、人的環境としては最高で、大学で伸びた高槻ならさらなる成長が見込める。ニューイヤー駅伝のメンバー争いは激しいが、1年目から狙っていけるはずだ。
ダブルエースのもうひとり、2区7位の並木寧音はSUBARUに入社予定だ。大学で指導を受けた小指徹監督が以前、指揮していたSUBARUで足を磨き、マラソンで世界を目指す。ニューイヤー駅伝では三浦龍司(順大)、山本唯翔(城西大)と共闘し、目標の3位以内を目指すことになり、今季のSUBARUの駅伝はかなり強い布陣となる。
春のトラックシーズン、大学のユニフォームから実業団のユニフォームに衣替えして、レースに立つ。フレッシュな彼らがどんな走りを見せてくれるのか。ワクワク感が止まらない。
<「箱根トップ5大学」編と合わせてお読みください>