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“億を稼いだ生活”から一転「寮生活&皿洗い」もうすぐ35歳・福田秀平が語る“NPB新球団”のリアル〈大谷&由伸キラーの再出発〉
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2024/01/29 11:03
今季から新規参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」でプレーする福田秀平(34歳)。主戦場のウエスタン・リーグでは古巣ホークスとの対戦も
――日本一の経験がある選手が、新規参入球団でプレーする。今回の決断は、非常に価値があることだと思います。新たな道を切り開いていくということへの意義をどう感じていますか?
福田 川崎宗則さんを見て育っていますから(笑)。でも、新たな道を切り開くと言えばかっこいいですが、本音で言えば、僕は「勝負に負けた」ので。プロの世界で活躍する“ひと握り”になれなかった現実がある。そこにしっかり向き合わなければいけません。もう一回、という気持ちの方が強いです。
――同学年の柳田悠岐選手を始め、ホークスやロッテのチームメイトからはどんな言葉をもらいましたか?
福田 決起集会のような会で「17年間おつかれさま」という紙が貼ってあって……いや、まだ終わってないぞ!と(笑)。でも、パワーをもらいました。ロッテの同い年の選手たちも来てくれて「今の秀平なら絶対行ける」「待ってるで」と言ってもらえて、すごく励みになりました。
実は大谷&由伸キラーだった?
――今をときめくロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平と山本由伸から複数本のホームランを放った打者は福田選手と柳田選手しかいません。またあの華麗なバッティングを見たいです。“復活”に向けた意気込みを。
福田 まずは「またかよ…」と言われないよう、ケガに気をつけます(苦笑)。活動初日も張り切りすぎて疲労がドッときたので、ジワジワあげていければ。またチームとしても新規参入ということで注目されますが、正直、プロ野球はそんなに甘くない。苦労することも多いと思いますが、それに立ち向かって、トライ&エラーを繰り返しながら強くなっていきたいです。
福田秀平Shuhei Fukuda
1989年2月10日、神奈川県出身。かつて水泳のジュニアオリンピック代表候補になるほどの身体能力の持ち主で、中学から野球に専念。多摩大聖ヶ丘高時代は1年時からレギュラーに定着、3年時にスイッチヒッターに転向して才能が開花。2006年ドラフト会議・高校生選択会議でソフトバンクから1巡目指名を受け、平成生まれのプロ野球選手第1号となった。2010年に一軍デビュー、常に激しいポジション争いに身を置きながら走攻守で存在感を発揮して日本一にも貢献。19年オフにFA権を取得し、ロッテへ移籍。今季から新球団・くふうハヤテベンチャーズ静岡でプレーする。