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激しいエルボー、気の強さも魅力…“実力派アイドルレスラー”梅咲遥22歳の覚悟「いつも“どれだけ頑張ったか”を見られてる」《特別グラビア》
posted2024/01/27 17:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Takuya Sugiyama
梅咲遥はいわゆる“アイドルレスラー”なのだが、試合を見ていると“実力派”にしか見えないところがある。
2001年生まれで、小学生時代がAKB48の絶頂期。前田敦子と大島優子が総選挙でトップ争いをしていた。夢はもちろんアイドル。一方で親に連れられプロレスもよく見ていた。自分でもプロレスの魅力にハマったのは中学生の時だったそうだ。今、自身が所属しているワールド女子プロレス・ディアナの川崎市体育館大会。2014年のことだ。
「井上京子さんと堀田祐美子さんが電流爆破マッチをやった大会です。Sareeeさんも出ていて“こんな可愛い人もプロレスで頑張ってるんだ”って胸を打たれました」
後にWWEと契約するSareee(現在はフリー)は、この日レジェンド・ジャガー横田と組んでタッグ王者になっている。
高校時代にはアイドルとしてデビュー
梅咲は茨城県の牛久市で生まれ育った。美浦トレセンが近く競馬関係者が多く住む街で、梅咲も乗馬を習っていたことがあるそうだ。
高校時代にはアイドルとしてデビューしている。牛久市をPRする、市の事業として結成されたグループだった。一方でプロレスの練習も。斬新な活動で女子プロレス界に変革をもたらしてきたさくらえみが主宰する練習会「誰でも女子プロレス」通称ダレジョに参加した。駿河メイ、杏ちゃむなどダレジョでの経験からプロデビューした選手は多い。
「ダレジョのイベントではメイちゃんとエキシビションマッチもしました。ダレジョはぶっ飛んでましたね。初心者にいきなりドロップキックとか教えてくれるんですよ(笑)」
その名の通り“誰でもできる”プロレス体験。アイスリボン時代から映画の企画で出演者をレスラーデビューさせたりと、さくらはプロレスの間口を広げられるだけ広げてきた。
梅咲は仙女ことセンダイガールズのファンでもあった。高校の夏休み、冬休みを利用して仙女の道場でも練習させてもらっていたという。親もプロレスラーを目指すことに反対はしなかった。
「プロレス好きだったのもあるんでしょうけど“プロレスの厳しさを知れば勝手にやめるだろう”くらいに思ってたみたいですね(笑)」