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「バスケを嫌いになりそうだった」苦境に立つ渡邊雄太(29歳)今、活かされる“2年前の教訓”とは?「本当にサンズを選んで良かった」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byAP/AFLO

posted2024/01/19 11:06

「バスケを嫌いになりそうだった」苦境に立つ渡邊雄太(29歳)今、活かされる“2年前の教訓”とは?「本当にサンズを選んで良かった」<Number Web> photograph by AP/AFLO

フェニックス・サンズで出場機会を減らしている渡邊雄太(29歳)。苦しい立場でも、置かれている環境に目を背けず、楽しんでいる

 チーム内に似たような立場の選手が多いことも、悪いことばかりでもない。同じような立場にいる分、ライバルであるだけでなく、自分の気持ちをわかってくれる“仲間”でもあるからだ。

「本当にありがたいです。それでプレータイム争い が大変になっている部分もあるんですけど、でもこうやって、いつも一緒に頑張ってくれるチームメイトがいて。誰が出ても出てなくても、みんなが本当に励まし合いながらやってるんで。

 プレータイム争いをしてると、どうしても心のどこか奥底で自分と争ってる人が試合に出たときにうまくいかないことを望んでしまうのは、人間なんで誰しもあると思うんですけど、でもそういう気持ちをみんな押し殺してチームのために、試合出れないときはお互いをしっかりサポートしてっていうふうにやれてるんで。そういう意味ではチームの雰囲気もすごいいいと思いますし。同じようにしんどい中で頑張ってる選手たちを見ると僕も頑張らなきゃなっていうふうに思えるんで。だから、この環境は本当にすごいありがたいですね」

「本当にサンズを選んでよかった」

 オフシーズンに、渡邊はいくつかのチームから契約オファーを受けていた。今、試合に出られない状態になり、サンズを選んだことを後悔していないかと聞くと、渡邊はきっぱりと「一切後悔はないです」と断言した。

「最終的には、プレータイムもらえないのも自分の責任なんで。これも考え方ですけど、極端な話、自分がKD(ケビン・デュラント)レベルにうまかったら、別にどこに行っても試合は出れるわけで。

 自分が出れないってことは、要は自分がへたくそなだけ。どこに行っても競争はあることですし、サンズだからっていうわけじゃなくて、ほかのチーム行ってても、結局NBA選手とプレータイムを争うので。世界最高峰の選手と争わなきゃいけないのだから、こっちのチーム行ったら楽だったのにとか思うことは一切ないですし、本当にサンズ選んでよかったと心から思っています。だからこそ、何とかここで結果を出せるようにしていきたいと思ってます」

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「サボるなら明日にしよう…その繰り返し」渡邊雄太(29歳)NBAサンズで出場機会が減っている今、何を考えている?「自信は失っていない」

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