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日々是バスケBACK NUMBER
「バスケを嫌いになりそうだった」苦境に立つ渡邊雄太(29歳)今、活かされる“2年前の教訓”とは?「本当にサンズを選んで良かった」
posted2024/01/19 11:06
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AP/AFLO
どれだけ状況が苦しくても、渡邊雄太は「自信はあります」と言い切る。
1月8日のロサンゼルス・クリッパーズ戦で、大差がついた試合終盤にコートに立った渡邊は、ノーマークの3ポイントシュートを2本打ったが、2本とも外してしまった。試合後、「あれは決めなくてはいけないシュートだった」と反省しながらも、渡邊は自信を失ってはいないと言った。
「正直、練習中でもタッチとかはすごくいいですし。だから、全然自信がなくなっているとかではない。今はとにかく、練習して自分の番を待つしかないかなっていう感じですね」
「自分に言い聞かせてる部分もある」
世界最高峰のNBAは、自信がないとやっていけない世界だ。と同時に、まわりは実力も自信もある選手ばかり。その中で、しかも試合に出られないときも自信を持ち続けることはどれだけ大変なのだろうか。そう聞くと、渡邊は、その言葉の裏にある考え方を明かしてくれた。
「自分に言い聞かせてる部分もありますね。自己暗示みたいなのもすごい大事だと思ってるんで。自分に自信ないかもって思いだしたら、多分、そういうふうにずっと負の方向に行っちゃうような気がする。
今までの経験上、こういうのを乗り越えてきたっていうのもありますし、あと自分自身に対して自信を持ってやり続けようっていう意味も込めてというか。本当に自己暗示みたいな部分も、50%ぐらいあります」
NBAに入ってから何度も苦しい時期を乗り越え、そのたびに成長してきた。NBAに入ってからの5年半で一番苦しそうな渡邊の姿を見たのは、2年前、トロント・ラプターズにいたとき、やはり試合に出られずに悩んでいたときだった。あれほど練習熱心な渡邊が「練習に行きたくない」とまで思った時期だ。
今は、その時よりは状態はよさそうに見える。しかし渡邊は、客観的に考えれば今の状況は2年前より厳しいかもしれないと言う。