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和田毅と甲斐野央だけでない「人的補償」事件簿…“不安のちボウ然”内海哲也、“自主トレ相棒と交換”馬原孝浩は「プラス思考」で新天地に

posted2024/01/13 17:02

 
和田毅と甲斐野央だけでない「人的補償」事件簿…“不安のちボウ然”内海哲也、“自主トレ相棒と交換”馬原孝浩は「プラス思考」で新天地に<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/JIJI PRESS

巨人時代と西武時代の内海哲也。FA宣言における「人的補償」は過去にもストーブリーグの大きな話題になったことがある

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野球ファンどころか世間が騒然となったFAを巡る「人的補償」。過去にも大きな話題になった歴史と、一流選手たちの思いと立ち振る舞いとは……「NumberWeb」掲載記事から背景を知る。

<名言1>
最初に内々で話を聞いたときは「え?」と驚きしかなくて、頭が真っ白になりました。
(内海哲也/NumberWeb 2023年7月12日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/858046

◇解説◇
 2月1日のキャンプインを控える中、年明けの球界で「人的補償」がこれほどまでの大騒動になると誰が予想しただろうか。

 西武からソフトバンクにFA移籍した山川穂高の人的補償をめぐり、『日刊スポーツ』紙が1月11日早朝に“西武・和田毅指名へ”の一報を伝えると、両球団ファンにとどまらず野球ファン全体が騒然となった。しかし、その日夕方には両球団から人的補償で甲斐野央が移籍すると正式発表された。

 28人のプロテクトリストから外れた選手を指名するルールがある中での急展開、そしてリスト外とされる選手が報道で漏れるなどの経緯ゆえ……数多くのファンが不可解さを感じつつ、当事者を慮る事態となった。

予想してみると、自分は絶対に入っていないだろうと

「FAの人的補償」は、過去にも大きな話題となることがあった。特に衝撃的だったのは、2018年オフの巨人だった。

 4シーズン連続でリーグ優勝を逃した巨人は、FA移籍で炭谷銀仁朗(西武)と丸佳浩(広島)を獲得した。その人的補償として“放出”される形となったのが、巨人ひと筋で2000~10年代中期の主力として長年チームを支えた内海と長野久義だったからだ。

 内海の著書『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』によると当時、“チームに残留できる”という確信はなかったようだ。

「ジャイアンツが人的補償の対象外としてプロテクトしそうな28人を予想してみると、自分は絶対に入っていないだろうと思ったからです。当時はいろいろ考えすぎて、不安に包まれていました」

 ただ実際に人的補償で巨人退団が決まると、冒頭の言葉のように呆然となったのだという。

 それでも、フォローしてくれる人々はいた。先輩にあたる上野裕平(現巨人広報)らの声かけなどによって切り替え「この移籍を後ろ向きではなく、前向きに捉えてやるのが内海哲也でしょ」と考えたのだという。

【次ページ】 カープに移った長野が得た「財産」

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