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「オオタニがDHを独占することは…」大谷翔平“驚きの外野手起用プラン”はなぜ飛び出した? ドジャース「主戦力は30代」という事実 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2023/12/31 17:05

「オオタニがDHを独占することは…」大谷翔平“驚きの外野手起用プラン”はなぜ飛び出した? ドジャース「主戦力は30代」という事実<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャースでの大谷翔平の“起用法”を現地記者が解説する

エンゼルスでは大谷の“無休”が続いてしまった

 事実、エンゼルスにも23年シーズンにそのプランはあった。5月初旬までの開幕わずか30試合で大谷には2試合の休養が与えられた。そしてDHにはともにマイク・トラウトが入った。大谷の休養、トラウトも半休と言える打者専念のポジションでコンディションを維持、チームは貯金生活で上位を狙える位置にいた。

 しかし、5月中旬以降、エンゼルスの負の連鎖がまたしても始まった。正三塁手のアンソニー・レンドンが離脱し、遊撃手を中心に内野のユーティリティーとして支えてきたジオ・ウルシェラ が6月に骨盤骨折でシーズンアウト。7月初旬にはトラウトまでもが左有鉤骨骨折で離脱した。大谷を打線から外すことができないチーム状況が生まれ、大谷自身も責任感から登板間は休みなくDHでの出場を続け、結果8月には右肘を痛め、9月4日には右脇腹を痛めた。その間、5月2日以降、大谷の無休は続いた。休養は必要。誰もが思う結果となった。

ではドジャース大谷の将来的な出場スケジュールは?

 24年シーズン。ドジャースの戦力、選手層の厚さを考えれば、大谷自身もチームプランを考え、休養を受け入れるだろう。その上で大谷の向こう10年、チームの常勝を考えれば、9月からの左翼起用プランは25年以降は大谷とドジャースを支える最重要テーマとなる。

 監督経験者でもあるベースボール・エグゼクティブは、チームが勝つための大谷のリアル二刀流起用には三刀流は必要不可欠な要素だと答えてくれた。

「日程的に休みが少なく東西の長距離移動もある。ベテラン野手のコンディション維持にはDHに定期的に入ってもらうことは重要です。大谷が登板間にそのポジションを独占することはチームのためになりません。だから、大谷とはしっかりと話し合った上で週に1、2試合左翼に入ってもらえばいい。

 でも、それだけでは大谷が今まで以上にオーバーワークになってしまう。例えばですが、大谷の登板は毎週日曜日にするなどして限定する。そして、大谷の希望を聞いた上で登板間に1試合の休養日を設ける。そうなると1週間で最大3試合DHに空きが出てベテラン野手を休ませながら起用することができる。私が監督ならば、春キャンプの時に大谷や関係してくる選手と話し合い、全選手の許諾を得た上でチームミーティングでこのプランを全体発表する。みんなが大谷三刀流の真意を理解し、チームに透明性を持たせることは重要ですからね」

【次ページ】 なぜ野手の中でも“左翼”起用なのか?

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