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箱根駅伝の往路優勝ゴールも「あんな走りはしたくない」…駒澤大2年・山川拓馬が語る「山の神になれなかった後悔」「リベンジを果たしたい」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/12/30 06:07

箱根駅伝の往路優勝ゴールも「あんな走りはしたくない」…駒澤大2年・山川拓馬が語る「山の神になれなかった後悔」「リベンジを果たしたい」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

他校であればエースと言える活躍を見せる山川拓馬。前回の箱根駅伝5区を走ってからの日々を振り返った(取材は12月上旬に行いました)

無名の選手も一躍有名に、ロードの面白さ

 自己評価はともかく、周囲は山川を高く評価し、さらに平地で区間賞を獲る走りをみせたことでライバル校から山川に対する警戒アラートが発動された。同期の伊藤蒼唯(2年)も「山川の走力はすごい」とその力を認めている。山川は「僕はそんなに強くないですよ(苦笑)。ラストスピードは高校生にも負けます」とはいうが、その表情にはどことなく余裕のようなものが感じられる。駅伝の結果が示してきたように、ロードは負けないという自信があるのだろう。

「ロードは、持ちタイムは関係ないと思っていますし、いつも気持ちで走っています。トラックでグルグル回っているよりも楽しいですし、『お前、誰だよ』って無名の選手がいきなり出てくることがあるじゃないですか。そういうのもロードのおもしろいところなので僕はロードが好きです。いずれ、マラソンで勝負したいと思っています」

駒澤大の強さをどう感じている?

 出雲、全日本と連勝し、ライバル校からは「強すぎる」と悲鳴のような声が聞こえてくるが、山川は駒澤大の強さについて、どう考えているのだろうか。

「いや、もう本当に強いチームだなって思っています(笑)。チーム内は本当に競争が激しいです。一度、レースを外したらメンバーに入れなくなるのが当たり前の世界なので、それがいい緊張感を生み、みんなのモチベーションになっています。油断と慢心が出ると危険ですし、あとピーキングですね。出雲、全日本はまだ距離が短いので多少、ごまかしがきくところがありますが、箱根はハーフなのでごまかしが一切きかない。練習からライバル感が剥き出しでピリピリ感がすごいですからね。練習が終われば仲が良いですけど、こういう厳しい競争のなかでお互いに切磋琢磨していける。それが結果にも繋がっていますし、駒澤の強さだと思います」

 前評判は、“駒澤大一強”だが、山川から、他校はどう見えているのか。

【次ページ】 藤田新監督は「選手との距離が近い」

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