「故障が多くてタイミングが合わなかったんです（苦笑）。ヘルニアもそうですが、足底がかなり痛くて……。偏平足なので、高校の時もよく痛めて、高3の時は全然タイムを伸ばせずに終わってしまいました。今回、かなりセルフケアをしたんですが、なかなか良くならなくて……」

自分は、練習で暴走しやすいタイプ

　足底が痛い。距離が踏めていない。持久力がまだ足りない。そういう不安を抱えているせいか、練習では知らず知らずのうちに設定タイムを超えて走っていた。そんな時、チームメイトが「抑えろ」と声をかけてくれた。

「自分は、練習で暴走しやすいタイプなので、仲間が止めてくれたことはすごく大きかったです。あのまま暴走していたら絶対に大きなケガをしていました。みんなが抑えてくれて、練習でメリハリをつけられるようになったせいか、夏以降はケガがなくなりました」

　夏は2次合宿からの参加だったが、箱根後から取り組んだジョグなどの成果が出て来て、持久力とスピードが徐々に噛み合うようになってきた。

区間5位ぐらいかな→区間賞

出雲駅伝ではエース区間と呼ばれる3区を走った　©Nanae Suzuki

　それが出雲駅伝と全日本大学駅伝の結果に表れた。出雲では3区日本人トップ、全日本は8区区間賞でチームの優勝に貢献した。

　だが、山川は、不満気だった。

「出雲は、初めて主力区間を走らせてもらって日本人トップでしたが、タイム的には留学生に及ばなかったですし、区間賞も獲れなかった。全日本は、ゴールした時、区間5位ぐらいかなと思うぐらい低調だったんです。それでも区間賞を獲れたのは嬉しいですけど、そのギャップが生まれるってことは、まだまだ力不足だなって思いました」

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